レレナじゃない。なにしてるの、こんなところで
夏祭りの夜、レレナと朧たちが遭遇した男は、朧にだけ分かる「臭い」を放っていた。翌日、その場所で大量の血痕が発見された報を受け、朧は男が『貪』との関連があると推測する。青磁とレレナに男を捜させる朧。その最中、行方をくらませていた絵里香を見つけたとの知らせを受け、レレナが向かった先に待ち構えていたのは、忘れようもない彼女だった……。
あああああああ……。
もう、バッドエンド路線まっしぐらじゃないですか。レレナがどこまでも不幸になっていく。前シリーズの面影を引きずって苦悩して生きていくだけかと思っていたら、ここで恐らくはレレナにとっては最大級の爆弾が投下されてしまいました。
帰りたいと願った日々、ともに生きたいと願ったひとたち、そんな思い出の中にある風景を、最悪の形でレレナの眼前に叩き付けるというのは、正直堪えます。表紙を見た段階でイヤな予感はしていたんだけれど、今回だけのスポット参戦だと思ったんだよう……。
もう、朧とクロサキの因縁とか、ふたりが想いを寄せていたマユラの存在とか、新たに登場した『貪』の手駒たる人物とか、そんなのはどうでもいいです。ただただ、これからレレナに容赦なく襲って来るであろう苦悩と絶望に、悲しくなるだけ。
……いや、こういう風にダメージを受けるとは思っていなかったんだけれど、この展開は卑怯すぎる。正直、先を読むのを止めたくなるくらいの、最悪の展開だけれど、けれど、多分次も読んでしまうのだろうなあ。救いのない結末に向かって、進んで行っているのは、もう、恐らく間違いがなさそうですが。
感情的なことを書くと、ホントに、この展開は許せない。彼女たちの、幸せだった日々を、完膚無きまでに穢してくれたので。ただ、先も読むであろう、そんな自分の選択が、何ともジレンマでイヤなんですけどね。作者の狙い通りにハマってるかな、これは……。
hReview by ゆーいち , 2008/03/26
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