SH@PPLE〈1〉

stars やろう。やっちゃおう。ボクと雪国で。学校交換

淡谷雪国は市内の図書館で出会った少女・一駿河蜜に一目惚れしてしまった。今では、同じ清美女学院に通う姉・舞姫を送る道中で遠くから見つめる、憧れを募らせている毎日。どうしたらお近づきになれるのか、悶々と悩む雪国に、清美女学院での生徒会長職務のストレスに限界を感じてしまった舞姫から提案されたのは、お互いの通う学校を交換するという仰天の内容で……。

女の園・お嬢様学校な清美女学院へ、姉の身代わりとして通うことになった雪国と、雪国の代わりに空舟五中へ通うことになった舞姫の、新天地での出会いと活躍をコメディタッチで描いたお話。主に雪国サイドの、清美女学院での生活が中心に描いていられるようで、やはり男の身で女生徒しかいない学院に入り込んだことから生まれるドキドキとかが、なんとも嬉し恥ずかし。刺激強いですー、って彼女ら、中学生なんですよね。うむむ、帯に書かれた「15歳男子に向けた超危険なワナ」のコピーに偽りなしです。

逆に、舞姫の方は、そんな女だらけの学院生活に疲れ、五中での生活になじむなじむ。非公式なクラブ SEC には名誉兄貴なんてワケの分からない称号まで授かって、そして、つまらない生徒会活動に風穴を開けるべく一念発起する姿は、なんだかんだいっても、純粋培養な生徒会長の素質があるんですかね。

そして、雪国と、彼の憧れの一駿河嬢との関係の意外な形での決着は、雪国に同情したくなりますね。彼女を元気づけた、雪国の気持ちはしっかり伝わっているのに、大事な部分が根本的に勘違いされたままなのが、涙を誘います。そして、本巻のラストで、彼女からのお誘い。行き先は温泉。おいおい、これは一波乱どころか修羅場の予感ですよ。彼に食指を動かそうとしている、胡蝶の宮・蝶間林さんの目論見が、嵐を呼びそう。これは楽しみです。

hReview by ゆーいち , 2008/04/06

SH@PPLE 1

SH@PPLE 1 (1) (富士見ファンタジア文庫 185-1)
竹岡 葉月
富士見書房 2008-03-19