Live with fear no evil whatever
架空都市倫敦。書物の中に築かれた英国はそう呼ばれている。天使と魔物が住まう都市、あらゆる存在・事象が文字として表される都市。そんな架空都市に簡単には入り込めないはずの人間が三人やって来る。そして、彼らは魔物を狩り出す。倫敦に天界を落とすという目的のために。魔族の青年・アモンは仲間を殺され、そして彼自身も否応なく事件に巻き込まれていく。
都市シリーズ第2弾。設定が独創的すぎて分かりづらい部分が多かったですね。登場人物・世界のすべてが文字で記述されているという設定のおかげで、絵面を想像するのに難儀しましたね。
そういう意味では、かなり人を選ぶ一冊かも。というか、川上稔の作品自体が人を選んでる気がしますけれど。
そんなこんなで、根本的な設定や用語の解説が作中でほとんどないので、なんとも置いてけぼり感を覚えますが、何気にどっかで聞いたことのあるような言葉が出てきたり、『終わクロ』からの設定を引き継いだりしてる部分があったりと、いろいろとにやりとさせられる部分はありましたね。
アモンと目を閉ざしたままの女性クラウゼルの関係は、割とあっさり目で、どちらかというと、自分の写し身みたいなヴァレスとの対比・戦いが物語の中心にあったような印象です。
ヴァレスとモラウとラルフという、敵方に立ったひとたちの物語の方が、なんだか深いものを感じた作品でした。
hReview by ゆーいち , 2008/04/20
- エアリアルシティ (電撃文庫―都市シリーズ (0190))
- 川上 稔
- メディアワークス 2002-03
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