アキラの風水ってのは、俺が知ってる風水とどう違うんだ?
返還が迫る魔都・香港。香港商店師団の一員として活躍する風水師のアキラは、とある事件の直後に香港一の五行師ジェイガンの最期を看取る。その背後では、香港上空に在る滅びた天界を、香港の土地でもって復活させようという、アキラの兄・ダブルリーらの思惑が動いていた。ジェイガンの弟・ガンマルと出会い、アキラは自らの風水を、そして五行を見つめ直していく。そして、香港崩壊の時は刻一刻と迫っていた。
上巻にして、かなりな盛り上がりと絶体絶命の窮地。アキラにとっては、圧倒的な実力の持ち主が後から後から湧いて出て、自信喪失、まさに絶望な引きですね。
そして、香港を天界にするという計画の第一段階が発動。いきなり大壊滅な香港ですが、これから一体どうやってこの計画を止めるというのか。アキラの仲間、師団の面々も皆、窮地に陥っているし、ここから一気呵成の大反撃となるのかどか?
風水師を毛嫌いするガンマルは、軽薄な言動とは裏腹に、重い過去を抱えていそう。兄との確執とか、戦いの道具としかならない五行の力とか、そんなものをひっくるめて、アキラと出会ったことで、彼もまた良い方向へ導かれていっているような。アキラと交わすどつき漫才も軽妙で楽しいし、なんともお似合いのふたりかと。
さてさて、大事な部分の伏線は張りっぱなしで緊張感全開で下巻へ続いていますが、下巻はこの調子だと最初からクライマックスな展開が予想されますね。期待大。
hReview by ゆーいち , 2008/04/21
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