春菜が変なんだ! ありゃ春菜じゃねえ。変菜だ変菜!
藤堂家に居候する神一郎と美琴の前にアフロ頭の変な奴・ホウジがやってきた。何者かに命を狙われているという彼が持つイルフィニの能力で、春菜は神一郎にべったり。元に戻すためにかかる時間は数日、その間、何のなければいいなんてそうは問屋が卸さなくて。ホウジを狙うのは同じ日本勢力のゲンジとアオイ。ナンパなゲンジと見た目幼女なアオイがホウジを狙う理由とは……?
前巻に引き続いて、シリアスなんだかゆるいんだか微妙なノリで展開する物語ですね。そのくせ戦いの結末だったりは何気に容赦がなくて、当たり前のように死んでしまったら、生き返ることなどないわけで。その辺の微妙なバランスが、シビアな展開なのに殺伐とせず、わりとあっさりと流せるような感じになっているのかも?
まぁ、それは善し悪しで、美琴の大切な育て親が犠牲になったこととか、アオイの大切な人が失われてしまったこととか、その衝撃に対してのリアクションが薄く見えてしまって、そのショックが伝わりづらいのかなあ。割と前向きにみんな生きてるので、落ち込みまくるような展開じゃないんですよね。
今回の物語は、次巻以降へ続く事件のための下準備的な感じ。どうやら日本勢力の中にも様々な思惑があるようで、一枚岩では決してない、その勢力内で、どんな混乱が生まれるんですかね?
藤堂家のふたりは、神一郎と美琴のいる生活を自然と受け入れてきて良い感じ。その家族一歩手前の感覚もなんとはなしに暖かい。特に今回は春菜のだだ甘えっぷりが見られて、なかなかに美味しゅうございました。
hReview by ゆーいち , 2008/07/17
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