恋塚くん、ごく当たり前の世界では万能無敵な魔女も、御伽噺の世界では簡単に死んじゃうんですよ。
C校舎、通称『魔界』の総代表・断花シャムが、生徒会に事件の解決を依頼してきた。C校舎の生徒のみを狙った連続首斬り殺人事件。それは、かつて魔女の生徒会長・シロオが解決することができず、敗北を喫した『みんなの友達』事件をなぞったかのようで。事件の犯人と思しき『怪獣』の正体を突き止めるべく、シロオはC校舎へ赴く。
ああ、胸くそ悪くなるお話だったなあ。C校舎がなぜ『魔界』と呼ばれるのか、AからDまで分けられた校舎に集められた生徒が、どういった理由で振り分けられるのか、その理由が醜悪というか、悪意しか感じないというか、事件の顛末と合わせて、気分の良くないお話でしたね。
書記のドロシー先輩がC校舎出身であること、そして未解決だった『みんなの友達』事件の関係者であることから、今回の物語に大きく関わっていることは容易に予想できたんですが、最終的に明かされた真実というのは、想像の斜め上を行った残酷なものでしたね。
にしても、その重ねた罪の大きさというのは半端ないものだと思うのに、最終的には許されるという展開にさすがに違和感を禁じ得なくなってきましたよ。まぁ、作品の舞台が、それを許容している感じもあるので、それを気にしすぎたら負けなのかも知れませんが、数十人単位で殺人を犯して、けれどその後も学園生活を続けられるという、その歪んだ世界観こそが怖いですね。
次はD校舎が舞台でしょうか。第1巻ですでに語られている、未来におけるシロオの暴虐の理由が明かされるまで、もう少し?
hReview by ゆーいち , 2008/08/09
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