新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ―黄昏色の詠使い〈7〉

2009年3月21日

stars ゆめゆめ忘れるな。その時にお前の選んだせんたくが、小娘の道行きを決定することになる。

凱旋都市エンジェ。そこで開かれる新種触媒カタリストの披露会に、ネイトとクルーエルは出席することになった。〈イ短調〉からの依頼を受けて訪れた街、披露会にさきがけ開かれる学生たちによる名詠の決闘。
そこでネイトはアーマに告げられる『お前はそこで〈ただそこに佇立する者ミクヴェクス〉の声を聞く』と。そして、ネイトは自らの対極・シャオと出会う。

新章突入で大きく物語が動き始める雰囲気。というか、思いっきり良いところで続いてしまってますね。これから謎が明かされようかというところ、そして因縁めいた対決の行方もお預けです。

物語のこれからの加速のための助走でしょうか。ネイトとクルーエルの関係は、確実に変わっていって、お互いがお互いを思う気持ちに信頼に加えて「恋」という意味も与えられ始めているような感じですね。微妙に暴走気味なクルーエルが可愛い可愛い。ネイトも天然な感じでクルーエルへのフラグを立てまくってるし。ここで交わしたささやかや約束が、叶えられると良いんですが……。

世界の根幹に関わる秘密が少しずつ語られ始めました。名詠に関すること。新たな色の名詠、夜色、灰色、そして空白、それらの詠い手が集結し、そしてネイトはシャオとついに出会います。あるいは、これからがネイトにとってのもう一つの物語の始まりなのかも。ネイトの選択がクルーエルの、そしてクルーエルの選択がネイトの未来を左右する、そんな関係に至ったふたりに、シャオがどのように関わってくるのか、世界の深淵を知っているかのようなシャオの問いかけ。その答えが、未だ謎めいたままの名詠や真言に秘められた真実を明かしてくれるのでしょうか。

続きが待ち遠しいですね。

hReview by ゆーいち , 2008/08/20