後悔? そんなもんいつだってしてるし。しない人間なんかいるのかよ。
不肖・阿良々木暦。この僕の妹たちについて語るときが来ようとは。上の妹・火憐と下の妹月火。誰が呼んだか栂の木二中のファイヤーシスターズ。正義の味方を任じる妹たちの姿は僕から見たらごっこ遊びに過ぎないけれど、それでも僕にとっては自慢の妹たちだ。……まずは火憐の物語を語ろう。これは、火憐が、そして僕が出会った「偽物」との物語だ。
徹頭徹尾楽しませていただきました!
趣味200%で書かれたという本作。上巻でこれなら下巻は300%目指しますか?
化物語の後日談ともなる本作。ようやく登場した暦の妹’sの火憐と月火の物語が始まったわけですが、あれ、なんか彼女たちの出番より、戦場ヶ原さんとかの出番多くない? いや、それはそれで激しく嬉しいし、ノリノリな会話はやたらめったら楽しいのでオールオッケーですががが。
シリーズ通しての会話の楽しさは健在。てか、今回はオールスターに近いキャラ数なので、それぞれの会話のテンポの違いもあっていろいろと楽しませてもらいました。神原とか八九寺とかとの会話はやっぱり楽しいなあ。内容ないのにひたすらにやにやできるし。
戦場ヶ原さんのどこまでも本気なツンデレモードとか、羽川さんの最強っぷりとか、あとはこのふたいりの妙な力関係も笑えるなあ。この間に暦が入ったら、プレッシャーで潰されそうで。飴と鞭が同時にふるまわれたら、らめええええええ、な展開になりそうだなあ(笑)
で、傷物語でいろいろ思わせてくれた忍とのあれやこれも見られて、これは本当に嬉しかったかも。バッドエンドのその先にトゥルーエンドが待っていたって感じ? ふたりの関係がどうなっていくかとかの、さらに未来は分からないけど、今、このときに、ああいう会話が見られたということが純粋に嬉しかったですねえ。
そして、上の妹・火憐のお話も良い良い良い。あの兄にして、この妹あり、というか。自分のためではなく他人のために懸命になれる根っこの部分は似通ってるけど、妹の方はさらに一直線ですねえ。暦の妹を大切にする気持ちがこれでもかと感じられるし、逆に火憐たちの、口が悪くてもやっぱり暦を自慢の兄と思ってる風な態度も微笑ましい感じ。こういう付かず離れずな兄妹関係もまた良いものですなあ。
さてさて、下巻もまたまた一筋縄ではいかない感じの怪異が待っていそうですね。シリーズの最後を飾るにふさわしい、楽しい物語を期待してます。
hReview by ゆーいち , 2008/09/06
- 偽物語(上) (講談社BOX)
- VOFAN
- 講談社 2008-09-02
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