ぼ、僕は薫ちゃんも柚ちゃんもどっちも好きだから、選べません……っ。
私立緑桜高校に進学した貴寛を熱烈に歓迎したのは幼なじみの先輩・別府薫と西谷柚姫だった。体育会系と文化系をそれぞれ代表するかのような生徒会役員のふたりに強引に生徒会の手伝いをさせられ、迫り来るは新生徒会長を選出するための選挙。なかなかどちらかを選ばない貴寛に、自分を選んでもらおうと、薫と柚姫はあの手この手で貴寛を誘惑して行って……。
青橋由高の新刊。もはや作家買いしていますので、買わないという選択肢はすでに存在しないわけですが。
前作がヒロインひとりとひたすらいちゃいちゃラブラブするお話だったのに比べると、今回は物語要素に重きを置いているのと、ヒロインがふたりであることから、だだ甘で脳みそ溶けるようなバカップルぶりは見られなかったのですが、ラブコメ方向で楽しませてもらいました。
主人公の貴寛が割とうじうじしている、周囲に流されまくりな性格のせいか、ヒロインの薫と柚姫からの強引なアタックに対してどっち付かずな態度を取り続けるのにもやもやしてしまいますが、まぁ、その辺は、ぇちぃことしてしまえばいっしょいっしょ。今回のは結構フェティッシュなシチュエーションが盛り込まれているので、その筋のひとはより楽しめるのかも。
勝ち気で長身・グラマラスな薫、だけどぇちぃシーンでは貴寛にとろとろにされてみたり、一方の柚姫は普段は理知的だけれど、その腐った知識に裏打ちされた耳年増さ加減で、貴寛の理性を壊しにかかったりと。どちらも普段は積極的に貴寛の上位に立とうとしてるのに、いたすシーンでは思いっきり立場が逆転してしまう対比なんかも面白かったですね。
個人的には、ひとりのヒロインといろいろなパターンで楽しむ、なんて展開の方が好きではありますが、今作も楽しませていただきました。お話部分に割とページが使われてて、ぇちぃシーンの数とボリュームはもうちょっとほしいかなという腹七分目感はありますが、バランス考えると仕方ないところでしょうかねー。
オチの部分は、ふたりに信任された貴寛が生徒会長になるとか斜め上の予想してましたが、そりゃ、タイトル見ればそうですよね、そういうオチですよね。裏であれこれ仕切ってた現生徒会長の暗躍とかも見てみたかった気はしますが、こういう無茶が通る学校とノリの良い生徒だからこそのラストシーンかなあ。その先のドタバタで痴話ゲンカの絶えなさそうな、けれど、まさに大団円な後日談にも和ませていただきました。
hReview by ゆーいち , 2008/09/30
- W生徒会長~どっちを選ぶの!? (美少女文庫)
- 青橋 由高
- フランス書院 2008-09
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