レヴィアタンの恋人〈4〉

stars 惚れたぞ、美歌子。お前の永遠をおれのものにすると決めた。

渋澤美歌子率いる姫路コロニーの軍勢 4000 は門司に布陣を敷く日向コロニーの軍 14000 と相対していた。姫路軍の最高司令官、“万里眼”と称される白谷三座の策と、日向軍の戦目付・鉄斎庵一舟の策が激突する。数で圧倒的に劣る姫路軍は、美歌子自らが率いる白狼兵団による強襲を敢行する。

西日本の統一をかけた戦いが行われている中で、タマとユーキがひたすらいちゃいちゃしてるわけで。あんたら、完全にバカップルに成り下がってるよ!! 白河戦の血なまぐささと正反対の平穏さが束の間のものだと思えつつも、こういう日常のたわいない馬鹿なやりとりというのは和みますねー。

で、そんなことをしている間に、西日本は姫路軍によって一気に制圧されてしまった感じ。美歌子のカリスマさは、かつてタマが神追軍にいたときに発揮したそれとすでに同じレベルに至っているような。タマがユーキに語ったように、将として一番重要な才能を、この上ないレベルで体現しているかのような美歌子。彼女に復讐を誓っているはずの、タケルやシュンですら、自らの気付かぬうちに、その虜にされているような印象。今回の戦いの勝敗を決したのも、姫路軍の将たる美歌子のそれが、日向軍の将・岩切雨俊のそれを上回ったからですかねー。というか、自信も実力もしっかりあったはずなのに、雨俊は噛ませ犬にしか見えなかった……哀れ。

さてさて、今回のラストで調布新町はまた大きな転換を迎えることになったような。頼れる存在を失くしてしまったユーキが、これから自分だけの部隊をどうやって率い、成長していくのか、あるいは挫折してしまうのか。肝心なときに助けに来てくれるとユーキが信じているのと同じように、タマはまた現れてくると思うのですが、これからの展開はさらに激しさを増していきそうですね。

hReview by ゆーいち , 2008/10/11

レヴィアタンの恋人 4

レヴィアタンの恋人 4 (ガガガ文庫 い 2-5)
犬村 小六
小学館 2008-09-19