新規……対局。
小学五年の奏は不思議な出会いを果たした。ソフィーと名乗ったオカメインコは、なんと異世界から魔法でやって来た人間だという。魔法を使えなくなり、元の世界へ戻れなくなってしまったソフィーを助けるために、奏は彼女に魔法を教わることになる。魔法の練習中、奏は突然魔法での攻撃を受ける。未だ満足に魔法も使えない奏に、窮地を乗り切るためにソフィーが提案したことは、奏自身が自分の魔法を作り上げること! そして、奏が魔法のルール決めの土台に選んだのは、慣れ親しんできた、将棋!?
魔法と将棋という、およそ組み合わせることを想像しなかったかのような突飛な設定、だけれど、動いてみるとなんだか良い感じじゃない?
魔法の国の王位を決める戦いに知らず知らずに巻き込まれていく奏とソフィー。今回は、奏の魔法との出会いと、彼女が使う将棋魔法の紹介といったところにページを割いているのか、戦い自体は決着する前にお流れになったりと、消化不良感のある対戦が続いていましたね。でも、それはこの作品の空気からすれば、逆に自然なことなのかも。さすがに小五な女の子が相手をこてんぱんにするまで魔法で戦うって……白い魔王になってしまうし。
今回奏が戦うことになった相手は、C++ などのプログラミング言語をベースにした魔法を使っていたりするので、今後登場するひとたちが、また、どんなものをベースに魔法を構築してくるのか、お互い自身のルールの中で、競い合う異種格闘技戦じみた魔法戦が期待できますね、想像も付かん(笑)
ま、お相手の彼女・咲と奏は良い友だちになれそうなラストでしたね。咲が奏に残してくれた一言が、上手いなあとか思ってしまいました。
にしても、王を決めるための戦いに否応なしに巻き込まれていくとか、ガッシュ的な展開? 殺伐としない展開を期待したいところですが、なんだか暗雲漂ってきそうな雰囲気も……? この先どういうお話になるか、期待ですね。
hReview by ゆーいち , 2008/11/01
- MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫 み 2-1-1)
- 三浦 良
- 富士見書房 2008-10-20
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