あなたのためなら、俺は神様だってぶっ倒してみせますッ! このブーステッド・ギアでッ! 俺の唯一の武器でッ! 俺はあなたを守って見せますッ!
下っ端悪魔としてリアス・グレモリー部長の下で特訓に励む兵藤一誠は、彼女の様子がおかしいことを気にしていた。その原因は、彼女の婚約者を名乗るライザー・フェニックスが、ふたりの結婚を強引に行おうとしていることだった。結婚の行方は、リアスとライザーによる、レイティングゲームの結果次第。部長を守るために気合いを入れる一誠だが、ライザー側の下僕たちとの圧倒的な実力差に打ちのめされて……。
おおー、なんか面白くなってきたかも。少年マンガ的に必殺技をぶつけ合うような戦いだけど、良い感じにインフレを抑えているような。前巻で気になった、一誠のブーステッド・ギアの無敵設定に上手いこと枷をはめたおかげで、主人公の成長という部分がしっかり描かれるようになっていますねえ。
相変わらず煩悩満載で、リアス先輩やら、なぜか同居することになったアーシアやらへの辛抱たまらん妄想暴走なところも、愛嬌ですかね。まぁ、そんな中で編み出した、一誠の必殺技は女性キャラからすればどん引きもんだけれど……(笑) まぁ、それもまた彼らしい思考でしょうか。
名門であると言われてきたリアス部長の家の問題も明かされましたね。なんだか、一気に話がでかくなって、それこそ魔界全体を巻き込みかねないような思惑の中に放り込まれてきているような。奔放に生きているように見えて、逃れられない家だとか血だとかに縛られている彼女が、それこそ脳天気に自由に生きている一誠に惹かれているように見えるのは気のせいじゃないんだろうなあ。そして、アーシア危うし。自分の気持ちに早く気付かないと、リアス部長に美味しいところは全部持って行かれてしまうぞ! と、そんな不幸属性にまみれた彼女のわたわたするところも、また可愛いのですが。
そして、未熟な一誠が力を手に入れるためには代償を支払わなくてはならなくて、その代償によって得ることのできた平穏は、束の間のことかもしれないけれど、自らが傷つくことも厭わず、戦うことを選ぶことのできる一誠は、これからもどんどん成長していきそうですね。だれも使いこなすことの叶わなかったドラゴンの力という超絶の能力を、どう飼い慣らしていくのか。彼の中に居る『赤』と、それと対立している感じの『白』。『白』が何となくラスボスっぽい扱いされてますが、果たしてどんな因縁がそこにあるのやら……?
hReview by ゆーいち , 2009/01/10
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