生徒会の四散 ――碧陽学園生徒会議事録4

stars 大好きでした、先輩。そして、だからこそ、さよならです、先輩。

夏を終え、秋を迎え、けれど相も変わらず日常を繰り返す生徒会の面々。夢を語ってみたり、ラジオのリベンジをしてみたり、椎名姉妹の家庭の事情が再び首をもたげてきたり。けれど、そんな日常の背後にある、「企業」の存在には誰も気がつかず、杉崎が彼らと交わした「契約」にも誰も気付くことなく、時間は流れていって……。

なんかシリアスな展開があるけど、気にしない!

いや、もう、ここまで何も事件が起こらなくて、それでも面白さを維持しているのは素晴らしいかなあと。

そして、こういった日常系のお話の常として、時間が流れていないというパターンに陥らず、しっかりと月日の経過を意識して、各キャラの立ち位置が変化してきているのも良いですね。あとがきを見る限りは、三年生の卒業までやるのは確定っぽいですが、そこまでもしんみりすることなく、バカだなあ、なお話でテンションを維持したまま突き抜けてほしいと思います。

今回は(も?)椎名姉妹の見せ場が多かったかな。不遇な扱いをされ、さらには奇抜なキャラ付けがされていた真冬のターンがこれでもかと押し寄せて、天然なんだか作為的なんだか読み切れない言動で杉崎を翻弄してみせたりと、姉の深夏の変な教育がこれまた変な風に化学反応して大変なことになってる気がしなくもないのですが、かわいいから良し!!

つーか、すでにメインヒロインの座は、暫定的に深夏のものになっているような? かわいいよ、深夏。こういう不器用ヒロイン良いなあ。杉崎の方も、そんな彼女の変化にいい加減気付いてきてるし、このハーレム状態な生徒会にも少しは波風起きてくれた方が盛り上がったりしませんかね?

そんな日常とは別レイヤの「企業」とのやり取りは、次で一応の決着ということですが、前回の大見得を切った杉崎の姿とは逆に、今回は一転窮地といった風情。過剰にシリアスになるような物語じゃないから、心配するような展開ではないと予想するけれど、どういったオチを見せてくれるのか、それが楽しみですね。

hReview by ゆーいち , 2009/01/30