とある魔術の禁書目録〈17〉

2009年3月21日

stars ……遅い、です……。遅いんですよ! この傭兵崩れのごろつきがぁ!!

イギリス清教『必要悪の教会』最大主教・ローラによってインデックスに召集の命が下された。彼女の保護者役である上条とともに、空路にてイギリスを目指すインデックス。彼女に与えられた命は、フランスとイギリスを結ぶユーロトンネルで起きた爆破事件を英国『王室』とともに調査せよというもの。しかし、その調査を妨害しようとする勢力は国外だけでなく国内にも在り、英国はかつてない脅威にさらされようとしていた。

久々にインデックスさんの出番ですね!

腹ぺこ凶暴キャラと化し、すでにヒロインというより上条さんちのペットと成り果てたかに思えた彼女に、禁書目録としての出番が到来! 英国内に高まる不穏な空気に魔術要素が絡んでいることから『必要悪の協会』所属の彼女が久々の里帰り?

かと思いきや、保護者役の上条さんとの道中からトラブル三昧。半ば上条さんの自業自得ともいえる選択ミスからハイジャックに遭遇するわ、犯人との対決をするわとスタートラインに立つまでに一冒険してしまう主人公体質の上条さんすげぇ。まぁ、この事件の中での上条さん、彼の猪突猛進な性格と、他人の話を聞かない視野狭窄な独善さという、彼の悪い部分が前面に出ているような気がしましたが、これまた何かの影響が働いていたのやら? 近しい誰かが傷つけられれば真っ直ぐに怒る彼の行動が、そのまま多数の人命に直結していたという事実は軽くないと思うんだけど。

と、これはこれで1エピソードとなりそうなお話なんだけど、こちらはまだインデックスと上条さんのドタバタやらがあったりで、割と軽い雰囲気なんですが、英国に着いてからは一変。話の規模もでかくなるわ、敵対する勢力もでかくなるわとかつてないインフレの予感です!

相変わらずねーちんこと神裂さんは戦う相手が悪いというか、彼女の噛ませ犬っぷりに涙が出そうになりますが、次の巻には出番と見せ場がありますよね? 聖人という存在の希少価値がどんどんと失われていってる感じがするんですが、今回はそれこそ英国すべてを敵に回したもんだろうしなあ、このチート設定どうにかなりません?

そして、上条さんの出番事態もがりがりと削られていってますね。彼の右手はすべてを覆すジョーカーではありますが、超人バトルの余波に巻き込まれるだけでリタイア確定なだけに、どうやって彼が死中に活を求めるのかも次巻の見所になりそうですね。離ればなれになってしまったインデックスの身を案じるのが彼ならば、必然的に戦いの場に姿を見せるでしょうし。

再登場のアックアも、手負いながらも存在感がありますね。傭兵ウィリアムとして聖剣アスカロンを手に携え、王女の絶体絶命の危機に颯爽と現れる主人公のお株を奪うお話の締め。お相手の騎士団長との因縁の決着を付けるべく、激突するふたりの対決の行方やいかに?

英国全土のはてはこれからの世界の命運を握る戦いがあちこちで展開しているので、かつてない緊張感をはらんだこの争乱、決着は如何に?

hReview by ゆーいち , 2009/03/14

とある魔術の禁書目録(インデックス)〈17〉

とある魔術の禁書目録(インデックス)〈17〉 (電撃文庫)
鎌池 和馬
アスキーメディアワークス 2009-03-10
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