その失恋の後で、何かが変わるかもしれない。違う風が吹いてくるかもしれないって……ほんのちょっとだけでも、考えませんでしたか?
恵に水穂さまが憑依した“向坂水穂”に、まどかと鳥越のふたりから告られ絡まりに絡まった恋の糸。恵の意中の四月さんは鳥越を想い、恵自身などアウトオブ眼中? そんな混沌極まる状況の暫定生徒会の次の使命は、林間学校の成功。生徒会主導のイベントとなった林間学校に、水穂を連れてきてほしいと方々から頼まれお手上げ状態の恵。頼りたくない、けれど頼るしかないこの状況、水穂さまのご加護は届くのか?
[tegaki]ついに踏み出す恋の一歩![/tegaki]
報われない主人公・恵の受難はまだまだ続きます。主に恋バナ方面で。
恵曰くの駄神・水穂さまの依代となり生まれた向坂水穂が恵以外のふたりの生徒会長に惚れられることから始まったがんじがらめの状況。それでも恵は、きっかけはどうであれようやく好転し始めた暫定生徒会の雰囲気を悪くしないがために奮闘するわけで。
楽しいはずの林間学校中も恋敵に暗い気持ちを抱いたり、そのこと自体に落ち込んだりと自分の恋ごころに振り回されつつも、しっかり前進する恵の姿に好感が持てますし、水穂さまの方もそんな彼を少しは気にかけてる感じで神さまらしさが多少は出ていましたか?
けれど、実際はいったんついてしまった嘘が、さらに恵を追い詰めて行ってる悪循環、恵と水穂の二足のわらじを履き替えつつも困難続出の林間学校を終えたかと思いきや、その先に最大の山場が。
恵にとっては前巻に続いてまたしても報われない引き。覚悟を決めた告白に、彼女もまた一定の覚悟を持って答えたのだろうけれど、そこから導き出される答えにはまだ幸せが見えないのが何とも。切ない雰囲気上昇中、だけど好みの展開です。
hReview by ゆーいち , 2009/05/10
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