森口織人の陰陽道〈巻ノに〉

stars わたくし、早めに決めておくべきだと、思うんですのよ? 遥奈原初雪の隣に座るのに、ふさわしいのはどちらなのか。

妄想が周囲にだだ漏れになる体質の遥奈原初雪さんを、護ってみせると誓った織人は、陰陽道の大家の筆頭でもある彼女の妖怪退治も手助けすることに。何かにつけて桃色な妄想に身を震わせる彼女をなだめすかし護る織人。果たして次にふたりの前に現れる妖怪とは一体……?

[tegaki]今回もバカでエロス![/tegaki]

前巻からずいぶんと間が空いてしまいましたが、相変わらずの展開で安心? 常人には及びも付かないシチュエーションで繰り広げられるえろすな妄想に感心しきりですね。

そして、本作では、『ドクロちゃん』と違って、話がループしてないし、しっかりとした土台の上で物語を進めようとしている感じがしますね。おバカな展開の勢いだけで押していくわけでなく、下地となる部分に練り込んだ感が伺えます。まぁ、その辺の説明の仕方があんまり上手くなくて、「はい、ここから説明台詞入りますよー」と分かってしまう部分などは、まだ慣れてないのかなあとも思いますが。

作中で相対し、初雪さんが調伏した妖怪たちは、なんだか彼女の下についてさながらポケモン状態のような。この調子でどんどんと彼女を慕う妖怪たちが増えていったら大変なことになりそうな気も。彼女の一番近くにいる織人の命の危険的な点においても。

終盤ではいきなりシリアスな展開になったりと、今回の物語でははっきりとは見えていないけれど、向かう先は決まっていそう。織人の選択だったりも、これから先のお話ではユルくない戦いが控えていることを予感させますし。単なるエロコメではなく、また違った方向を目指しているようにも思いましたね。

hReview by ゆーいち , 2009/05/18

森口織人の陰陽道〈巻ノに〉

森口織人の陰陽道〈巻ノに〉 (電撃文庫)
おかゆ まさき
アスキーメディアワークス 2009-05-10
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