リョウは、わたしのこと義妹としか思ってないんでしょ? でもね、妹だけど、わたし達、義理なのよ? 血は繋がってないの。だから……義妹だけど、好きになってもイイよね?
テスト休みを利用した小旅行に浮かれる良太郎たち。けれど、六花は赤点を取ってしまい、追試の憂き目に。自信なさげな六花のために、いっしょに居残り勉強をすることになった良太郎。一つ屋根の下にふたりっきりという今までにないシチュエーションに、嬉しいはずの六花は試験勉強どころじゃなくて……?
そうそう、こういう流れを見たかったのですよ。
メインヒロインにして最後の攻略キャラであるところの六花の気持ちが1章と2章でこれでもかと描かれて良い感じ。逆に、その当て馬にされてしまった感のある薫子さんについてはご愁傷さまというべきか……。最後の最後で彼女がした初めてのわがままの顛末ってどうなったんでしょ?
まぁ、ともあれ、相も変わらず順調にモテ王国は勢力を拡大していってますが、そろそろモテ携帯の力を借りずとも、良太郎に好意を抱くキャラが出てきてもおかしくないくらいに、彼自身の魅力も洗練されてきているんじゃないでしょうか? ただそうするとサクヤという存在が無価値になってしまうので、いきなりそういう展開は難しいかもしれないけれど、ちょっとした出会いから気になる存在へ、みたいなある意味王道な恋物語とかも見てみたいかも。あぁ、けれど、そうした場合は彼女を「振る」という選択肢が明確に生まれてきてしまうから物語の趣旨とは反するのかなあ。って、そういう風に考えるとなんとも便利なガジェットだな、モテ携帯。
そんな感じで、今回は義妹という属性をフルに活かしてる感じの六花さんがたいへん可愛らしゅうございました。六花の方は良太郎への想いをもはや隠す気なんてさらさらないし、積極的にアピールしていく感じもありますが、当の良太郎が自分のポリシーに反するその想いにどう答えるのやら。それがきっと最後のエピソードになるんだろうと思いつつも、まだまだこの甘酸っぱい感じを味わいたいとも思ったりするのです。
……あと、麻姉はいろいろな意味で反則なキャラなのでほどほどに……。どうしてこういう作品の姉キャラってのは最強過ぎるんだろう。
hReview by ゆーいち , 2009/07/26
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