恭太郎さまが喜んでくださるなら、私は平気ですわ……。メインディッシュを食べてくださいまし……♡
「恭太郎さま! メインディッシュの準備ができましたわ!」
港町ナトリアの館で、カタブツ侍少年・神来恭太郎を待っていた美味しい料理。それは、エリス作の豪華な刺身の盛り合わせだった。
しかし、活きのいい魚の切り身が盛られた器は、船の形をしたベッドに横たわった半裸のエリス!?こ、これはいわゆる ○○○○!?
最強のご奉仕技が恭太郎に炸裂する! そんな彼に追撃が!!
メインディッシュを食べてくださいまし…♡」
なぜ恭太郎の食事が、そんな嬉しい、いや悩ましいことになったかというと、カルタギア帝国からのある申し込みのせいで……。
嬉し恥ずかしなハーレム・ライフは今度こそ限界ギリギリです!!
[tegaki font=”crbouquet.ttf” color=”red” size=”36″]アウトーーーーー!![/tegaki]
ギリギリじゃないよ、一線ぶっちぎってるよ、これ、時代が違えば成年指定だよ(笑)
というこことで、どこかの美少女文庫よりもえろいんじゃないかという本作。今回は、囚われてしまった王仕さまが帰ってくる可能性が出てきたことで、恭太郎と姫さまたちが離ればなれになる!? とかいう、割とのほほんとしたお話にしては切羽詰まった危機が目の前に。
けれど、このトレクワーズのお姫さまたち、入れ知恵をしてくる性悪ロリババァことピコル師匠の言うがままに取ってしまった選択が、揃いも揃って色仕掛けってあたり、あんたら、もう何も考えてないだろうとそんな感じにツッコミしか入れられません。シチュエーションが違えば色々燃え上がるとかワケの分からん理論に背を押されて、色仕掛けというか、アブノーマルなプレイ(笑)の領域に達してしまった少女たちの所行。これを耐えることができるのか、恭太郎。据え膳状態がどこまでも続いて、本人も読者も生殺しですよー!
正直、本編の内容を微に入り細に入り語るとそれだけで危険な感じがしますが、よくもまあ、ここまで頭の悪いシチュエーションを立て続けに考えることができますな! ラブコメというかエロコメではありますが、このノリでえろげのシナリオ書いちゃいなよ、風見センセ。買いますから。
まぁ、それでも、背景となる事情は、別離が目前に迫ってきたという、出会ってばかりのときならともかく、ずいぶんと仲良くなってしまってから突きつけられるには残酷なものであり、それを避けるためにはなりふり構わないという必死さもそこかしこにあったりするのですね。おバカなノリばかりが印象に残ってますが、その辺を考えてみると、しっかり恋を描いているのかなあ。伝わりづらそうだけどなあ……。主人公が潔癖すぎて進展しないけどなあ……。あと一歩のところで踏みとどまる理性なんて、ポイしちゃえばいいのにね!
けれど、そんなお姫さま達の奮闘むなしく、悲願達成ができないのもある意味予定調和なのかな。敵対しているカルタギア帝国の動きによって、お話の終盤では予期せぬ形で覚えていた危機感が現実のものとなってしまった形。敵国の捕虜になってしまった恭太郎の運命やいかに、って、あっちでも同じように貞操の危機に晒されることになるだけれどもっ! お相手の女帝は、さらに輪をかけて犯罪チックだけれども!
望まぬまま、ハーレムライフが拡大して行ってるような気がするけれども、この先いったいどうなる。
hReview by ゆーいち , 2010/04/28
- H+P(5) ―ひめぱら― (富士見ファンタジア文庫)
- 風見 周
- 富士見書房 2009-12-19
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