ひ、ひどいです……! どうして、明久君は――。――どうして明久君は、私と子供を作ってくれないんですか!
召喚実験リターン! 明久と雄二で喚び出した召喚獣は、まるで二人の子供のようで――って、また惨劇が繰り返されるのか!?『僕と子供と召喚獣』、ドキドキ同居生活を赤裸々に綴る『僕と姫路さんとある日の昼下がり』、謎多きムッツリーニの一面が白日の下に晒される!?『僕と土屋家と揺れない心』、高校1年生の春――すべてはこの出会いからはじまった!『俺と喧嘩と不思議なバカども』の4本で贈る、青春エクスプロージョンショートストーリー集第4弾!
短編集第4弾。なんか本編がいいところで短編集が挟まれて生殺しな部分もありますが、ストーリー重視になってきた本編に比べてバカ満載でお届けします的な内容がステキ。あと、最後の短編はまっとうに良い話しててずるいと思います。
僕と子供と召喚獣
[tegaki font=”crbouquet.ttf” color=”salmon”]子作りしましょ![/tegaki]
ババア長のやることはいつも斜め上ですね!
召喚獣でふたりの子供を作りましょうって、そんなことを聞かされたら恋する乙女が暴走しないわけがない! っていうか、この作品内の女の子たちは誰も彼も積極的すぎて男の身が持ちませんね。明久の方も本気で逃げないで適当なところで子作りしちゃえばいいのに(違)
雄二と翔子さんの間にできた召喚獣を、なんだかんだで可愛がる雄二に萌え。この男、なんだかんだつっけんどんな態度を取ってるけど、家族思いのいい父親になるよなあ、絶対。
ん、とすると、明久は家族思いのいい母親……か? 該当しそうな性別不詳キャラ他にもいるけれど(笑)
僕と姫路さんとある日の昼下がり
リア充は爆発すればいいと思います!
同棲中の明久と姫路さんのお買い物デート。なんだこの甘酸っぱい雰囲気は。雄二の邪魔が入らなければ最初っから最後までキャッキャウフフな展開で読んでる方がゴロゴロしてしまいそうな内容でしたね。
明久の(ピー)な言葉責めとか一歩間違わなくてもセクハラなのにそこについて行こうとする姫路さんの天然さはもう、逆に狙ってるんじゃないかと思えそうな腹黒さがそこはかとなく……。いや、ないんだろうけど。でも、更衣室での一件とか見ると、既成事実でがんじがらめにしようとする思惑を感じてしまってガクガク? はっ、これは翔子さんの手口!?
僕と土屋家と揺れない心
[tegaki font=”dfgot_p.ttc” color=”red”]明久、雄二、アウトー![/tegaki]
動揺してはいけない in 土屋家
企画から実行まで速攻で行ってしまうムッツリーニとノリノリで付き合う秀吉と美波がステキ。というか、これ、完全に明久と雄二はおもちゃにされてるなあ。
なかなかない友人宅訪問がこういう展開だと、他のキャラのご自宅訪問もなにやら企画でやってほしいと思ったり。
ともあれ、ごく普通の一家のような土屋家になぜにムッツリーニのような子供が育ってしまったのか。ムッツリーニが生まれて、長女が生まれるまでに、土屋家の父母にどんな考えで子育てをしたのか、それは神のみぞ知るというところですか。
俺と喧嘩と不思議なバカども
あー、だから、こういうまっすぐな青春ものはずるいなあ。これまでの短編がバカまっしぐらだったのに、雄二の視点から語られる入学当時の一悶着は、今のF組の空気とは違いすぎるからこそ想像の余地が多分に残されてるなあと。
誤解から殴り合いで友情を深めるとか、ベタだけど王道の展開。今ではバカなはずの明久も、交流が深くない段階で雄二の視点から見たら女装癖の変態+熱血バカ? こういう出会い方をして親友にまでなるというのも、並大抵な感じではないけど、そこはお互いの波長が合ったのかなあ。ほら、相手を犠牲にしてでも自分は生き残るという生き汚いところとか。
過去ものはシリアス気味で今の雰囲気とはがらりと違う読後感ですが、こういうエピソードの積み重ねで今があると思うと、やはり感慨深くありますね。
hReview by ゆーいち , 2012/01/29

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