コミック感想:その着せ替え人形は恋をする(4) 自分の「好き」を伝えたい! ネタバレあり

その着せ替え人形は恋をする(4)
あらすじ

自分の好きなものややりたい事を人に言うのって勇気が必要なんです!
海夢とジュジュの“合わせ”準備は着々と進み…ついに衣装完成!! あとは撮影だけ…のはずが、新菜には二人に秘密の作戦が…!? 好きなもの、大切なものへの強い気持ちが、それぞれの心を動かしていく…!!

目次

はじめてのコスプレ合わせの準備進行中!

あこがれのコスプレイヤー・ジュジュサマとの出会いから合わせまで、いろいろありながらも実現の日が近づいて来てテンションも上がる海夢と新菜。この作品、コスプレして「はい、終了」ではなく、そこまでの流れがむしろ本編という感じで、大一番への入念な準備とかやりとりをコミカルながらも、ある程度のリアリティでもって描いてくれてるのが楽しいですね。

実際、コスプレは見る方で楽しませてもらってる側としても、どれだけの苦労と愛、情熱によってレイヤーの方々が返信しているのかの舞台裏を見せてもらってるようで、新鮮なんですよね。

とはいえイチャコラしすぎじゃね?

そんなこんなで新菜の自室で衣装の準備を進めるふたりですが、もう、なんというか、この、ねぇ!?

イチャコラしすぎで砂吐きそう! お互い好き合ってるのに告白に至らず、その辺の臆病さと進展のなさにやきもきしながらも、この距離感はステキすぎる。

その着せ替え人形は恋をする(4) にまぁ~な海夢さん
にまぁ~からのごじょー君のエッチのコンボ

小悪魔的な台詞を投げようとしながらも、自分の方までドキドキしてるとか、可愛すぎか!

その着せ替え人形は恋をする(4) 海夢さん相変わらず無防備
なぜココで脱ごうとする!?

そして、この変わらない隙の多さ。見せてもいい下着を着ているつもりで、実は間違えて見せてはいけない普通の下着だったと気付いて慌てるオチも笑わせてくれます。

海夢といっしょにふたりで作りあげるコスプレ

物語も4巻にいたって「コスプレをしたい」という海夢の動機はより具体的になってきた感じがありますね。最初のコスプレ衣装の製作は新菜におんぶ抱っこな海夢でしたが、コスプレをするという目的のためには、衣装を作るという前段階が必要で、それを助けてくれる新菜の存在が自分の中で大きくなるにつれ、海夢自身も衣装を作ることもコスプレの楽しさと感じ始めているようですね。

その着せ替え人形は恋をする(4) 自分が役に立てるのは嬉しいもの
自分も役に立ちたいから

情けは人のためならずを地で行くような展開が尊い。自分の頑張りが認められるということをお互いに体現し合って、このふたりのコスプレを通じて培われた関係性はほんと微笑ましいですよ。

先輩レイヤー・ジュジュサマの視点

新菜の作ったコス衣装に一目惚れして、彼の元を訪れたジュジュサマ、念願のコス衣装を手に入れる!

衣装を身につけるだけで、表情から変わってるようで、可愛いと大人っぽいが共存するような魅力がありますね。

そして、先輩レイヤーだけあって、衣装への要望の指摘も具体的で分かりやすい。

その着せ替え人形は恋をする(4) 新菜の衣装を初試着するジュジュサマ
念願のコス衣装を初試着!
実際にコスする人の意見は貴重です
その着せ替え人形は恋をする(4) マントの出来に驚き
製作者の工夫が光るワンポイント

こういうモノづくりのやりとりは個人的に大変好みなので、このマンガは素晴らしいのです。

一方の海夢は……(笑)

その着せ替え人形は恋をする(4) 語彙力
語彙力……っ!

海夢の方はどうしても感覚的な表現になっちゃってますねえ(笑) うん、ヤバいのは良いことだ。

その着せ替え人形は恋をする(4) テンション爆アゲ!
喜びを表現する言葉が見つからない海夢さん

なんだこのかわいいいきもの……!

ジュジュサマの妹・心寿さんの本心

3巻での思わせぶりな態度が気になっていたジュジュサマの妹・心寿さんですが、やはり予想したとおり、姉と同じようにコスプレをしたいと思っていたんですね。

一歩を踏み出す勇気が欲しい

多分、新菜が声をかけなければ、その機会が訪れるのはずっと先になっていたんじゃないかという展開。

新菜の他者を気遣う性格が良い方にはたらいて、心寿の本心がようやく語られます。

姉のコスプレへの情熱を誰よりも理解しているからこそ、自分がコスプレをすることで嫌な思いをさせてしまうのなら我慢しようという、妹の思い。

その着せ替え人形は恋をする(4) 心寿の望み
心寿の本心を見抜く新菜
その着せ替え人形は恋をする(4) 姉が好きだからこそ迷惑をかけたくない
コスプレをする勇気が出ない心寿

でも、そこまでコスプレに真摯に向き合っているジュジュサマだからこそ、好きなキャラになりたいというレイヤーの想いを否定するようなことはしないという新菜の言葉。

それは同じように自分の夢をおおっぴらに語るのを怖がっていた彼が、ジュジュサマにかけてもらった言葉にどれだけ救われたかということで。その言葉に助けられたように、心寿の背中を押してくれる新菜マジ主人公。なかなか自分の気持ちを表に出すようなことをしなかった彼ですが、だんだんと前向きになってきていて良き哉。

その着せ替え人形は恋をする(4) 他人の夢を否定するような人じゃない
妹の好きを否定する姉などいない

でもまあ、これまた良いオチが用意されていましたね。

その着せ替え人形は恋をする(4) 今なんと?
「颯馬お兄ちゃん」

望みはまさかの男装で、ここからすったもんだの心寿さんの準備編がスタート(笑)

男装をするのは大変なんですね

年齢不相応に女性らしい体型の心寿さんが男装するのはなかなか困難。でも、そういう課題をひとつずつクリアして理想に近づけていくのがコスプレの醍醐味でもあるのでしょうか。

また、低年齢のレイヤーさんだとどうしても問題になってしまう金銭面についても、ぼかさないでしっかりと解決の糸口を探っていますね。既製品でできるもの、コストを抑えるための100均の活用、値段によらない便利グッズなどなど。先人の知恵が詰まった今だからこそ、かつてのハードルも少しは下がってきているのかも知れません。

1万円以下に抑えてどやっ!

そした待望のコス合わせ

やーもう、あらゆる手を尽くして準備万端で迎えた撮影会はテンション上がるんでしょうね。

コスプレイベントへの参加とは違った雰囲気の、撮影会のシーンが本巻のクライマックス。颯馬お兄ちゃんのコスを披露した心寿さん登場のサプライズでテンション爆アゲの海夢とジュジュサマ。レイヤーとしての意識の高さを発揮しながらも、自分とは違う形でコスプレを楽しんでいる海夢や心寿を否定しようとしない彼女。自分の美学とは相容れないながらも、それを尊重するあたり、できたお人ですわあ。

でもまあ、海夢さんはテンション上がるとこうなっちゃって……

シリアスキャラに致命的に向いていない

まぁ、これはこれで……。

そして、そんな周りの楽しさはジュジュサマにも伝播して。

私が一番嫌いなタイプじゃない
と言いながらのこの笑顔

自分の好きを表現することだけを楽しんでいた彼女も、他人の好きを感じて世界が広がった様子。きつい言葉を使いながらも、心底楽しそうに微笑んでいるジュジュサマもまた、今回の合わせのエピソードで、コスプレの新しい楽しさを知ったといった風情ですね。

「素敵」はジュジュサマの最大限の褒め言葉?

そんなジュジュサマ、新菜の衣装や心寿のコスプレに素直な賛辞を贈ってますね。

素敵という言葉はとても彼女らしい、シンプルだけれど良い褒め言葉だと思います。多分彼女の性格付けとして言葉遣いなども設定されているんでしょうけれど、こうして良いシーンでさり気なく使われても印象に残ってるあたり、ジュジュサマにぴったりなんだと思います。

そして、極めつけはここ、ここ!

新菜の実感
ズルすぎる表情とセリフ

新菜がそうであったように、ジュジュサマも自分の想いを大切にしてくれる新菜への感情がこもったこの一言。ああ、これは惚れたな……。

出会いは悲惨なものだったけれど、雨降って地固まるな展開で、今後はラブ方面にも参戦してきたりするのかな?

写真の片隅に写る新菜を見て何を想う?

合わせはもう十分だといいながらのこの表情、次もあると期待して良いですか?(笑)

海夢さんは蚊帳の外?

メインヒロインのはずの海夢さん、今回はちょっと助演に回った感じでしょうか? ジュジュサマと心寿さんのエピソードが中心になっている構成なので仕方ありませんが、それでも、そこかしこで楽しそうにしている彼女の笑顔は癒やしです。

その着せ替え人形は恋をする(4) 二人で?
あ、目が……

そして、自分の気持ちに気付いていながらも、4巻では進展らしい進展もなく。むしろ、自分を放置されて心寿さんと二人で衣装作りをしていたことを聞かされて、おこなの?

はい、おこです

くそう、やっぱり可愛いなあ。とっとと告っちゃえば良いのに(笑)

次なるコスプレは……

無事にコスプレ合わせ編も終了して、次は格ゲーキャラコスプレ編?

という割にはあっという間に衣装も完成して、さあ、撮影というところで次巻へ。

海夢さんの行動力!

キャラになりきるためにはいかなる努力も厭わない海夢さんの行動力が今回も発揮! 夏だから、とてもらしい格好になってしまいましたが、さてさて撮影はスムーズに行くのでしょうか。露出の多い格好なので、新菜の方が照れてしまってバタバタしそうかも。

それぞれの衣装ごとにテーマだったり、新菜に新たな気づきを与えてくれたりで展開している物語だけに、ここからのストーリーもまた目が離せません。

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