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藤原々々 Tag Archive
ヒトカケラ
探し物は私の欠片 世界を救うための最後のヒトカケラ
オカルト研究会にはいつもの面々が集まり、ミーティングと称したゲーム大会がこれまたいつものように行われている。そして、部長の輝幸は、部員の一人・蓬莱ありすに恋をしている。思いを告げる機会も勇気も持てないまま、何気なく彼女に言った「相談に乗る」の言葉が、文字通り彼の世界を一変させる。これは、彼女の欠片を探す数日間に起きた物語。
──藤原々々絵ならば買うしかないだろう、と買っておいた作品。内容は辛めの感想を見たことが多かったけど、雰囲気重視で人間大好きな展開は、私自身が大好きなので結構肯定できちゃいます。
輝幸と蓬莱さんの、欠片探しの数日間を別視点で語っているので、構成的には短編2編に近いのですが、キャラクターが魅力的なので、こういう展開もありかなあ。幼なじみの麗華の別の側面は結構驚きでしたが、けれど、彼女のポリシーというものは芯が通っていて真っ直ぐで、報われないかもしれないけれど彼女の幸せを願ってしまいます。
そして、蓬莱さんの運命は、彼女と輝幸が出会う遥か前に、それこそ生まれた瞬間に決まっていたのだとしても、輝幸と出会い、他の部員たちと触れ合った短い時間こそが、彼女に「大切な人」という想いを抱かせたのだという事実に感慨を持ちますね。
必然の別れは、悲しみだけを残すにあらず、その後も続いていく日常は何処までも広がる青空のごとく。そして、プロローグとエピローグの繋がりも気持ち良くて、こういう作風は大変好みなので次のお話も期待が持てそうです。
hReview by ゆーいち , 2007/12/20
- ヒトカケラ (MF文庫 J ほ 2-1)
- 星家 なこ
- メディアファクトリー 2007-11
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ぼくと魔女式アポカリプス〈3〉 Nightmare Crimson Form
未完!? 未完なのか!? だが続刊の刊行をいつまでも待つ!
前巻での寝々との死闘、そしてレンテンシアを喪ったエピソードの直後から始まる第3巻。レンテンシアの貫いた「選択肢を伝える」という生き方を受け継ぐ決意を固めた澪の前に次に立ちはだかったのは、イかれた双子と、友人の草太、そして……。
生き残ることも、そこで果てることも、結局は同じところにたどり着く時間が遅いか早いかだけの違いくらいしかないかもしれないゼロサムゲーム。澪にとって友人であり、日常の象徴的な存在でもあった一人、草太が物語に大きく関わってきて、早くも苦渋の選択を迫られ掛けるような展開を予想させたエピソード。新キャラとして登場した殺々件の双子姉妹の狂いっぷりは、前巻の寝々に勝るとも劣らないぶっちぎり加減でなんというか、この世界にまともな人間はいないのか、と。
作中で澪が迫られる選択のどれもが、どちらを選んでも後悔するしかないかもしれない後ろ向きな選択肢で、ただ、それでも決して諦めに至らないのは、代替魔術師となり人外で普通の生活など望めないということを理解した上で、それでも「生き」ていたいと願う執着にも似た渇望があるからでしょうか。冥子との共闘関係も利用し利用されるような打算的なものではなく、少しずつ信頼の上に成り立つものに変化していってるように思えますし。だから、彼らが血腥い戦いの中で、価値の軽重の計算の元に、近しい誰かを手に掛けたとしても、それを責めることができるのも、背負うことができるのも、自身たちしかいないのでしょう。
一線を越えきってしまった代替魔術師である澪や冥子、そして今回の敵となってしまった彼女の終わりきってしまっている様とは別に、草太が踏みとどまった日常というもののまぶしさは、そこで立つ人間には分からないもので、きっと道を外れてしまったからこそ、この上なく大切だったということにようやく気付くものなんだろうなあ。
物語の最大の山場が2巻で過ぎてしまった感じがあって、今回も痛いわ重いわ大変な展開なのですが、衝撃度合いとしてはそこまでではなかった印象。そして後書きで一旦シリーズが休止するっぽくてかなりしょんぼり。いろいろと伏線らしきものも張られてきたのに惜しいです。ぜひ4巻以降も出し続けてほしいものです。
hReview by ゆーいち , 2007/06/14
- ぼくと魔女式アポカリプス 3 (3)
- 水瀬 葉月
- メディアワークス 2007-06
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ぼくと魔女式アポカリプス〈2〉Cradle Elves Type
前巻の傷みがそのままフラッシュバックですよ。この救いのない展開。エピローグで残された希望の小ささにそれこそ絶望しそうになります。きっと最後にはハッピーエンド、そんな予想はエルフ・レンテンシアの生き様を見てしまうと、あり得ないんじゃないかとも。こういう破滅的で刹那的で狂的なストーリーなのに、根底にある「誰かを喪うこと」への恐れの生々しさの描写が怖いくらいに琴線に響く響く。当たり前のように殺し殺される世界の中で、亡くしてしまった誰かを忘れることを「逃避」と断じ、思い出すことで自らの贖罪にしようとする澪の生き方がどうしようもなく不器用で、けれど彼自身の誇りを感じさせます。
澪に与えられた力が、ものを祝福することで力を与える祝福魔術なのに、それを用いて他者を殺めるしか選択できない皮肉。そして、自分自身は対極である呪いを甘んじて受け入れようとする心の在り様と、澪自身の未来にも救いがなさそうなのが果てしなく不安です。彼が真に悩み抜いて出した結論の果ての選択はいったいどんなものになるのやら……。
次巻が出るかどうかが売れ行き次第という感じなのが非常に不安ですが、これはぜひとも売れてくれて、続巻に期待したいですね。
それと、藤原々々の絵は、かにしのに続いてだけど、こういうダークな絵も素晴らしい。
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ぼくと魔女式アポカリプス
してやられた。日常からの小さなずれを、重ね重ねていくことで、真相を多重にミスリードさせられてしまいました。中盤で、こいつが、と目を付けた人物は全く的はずれで少し悔しかったり。
物語は、世界の裏に潜んでいた様々な魔術種の最後の生き残りと、それらに見いだされた代替魔術師たちのバトルロイヤル。ん、どっかで見た設定ですが、アレとは主従が逆転してるし気にしないで。
代替魔術師たる主人公や、ヒロインの冥子らの契約に至るための過程の凄絶さと、代償の大きさ。人外たる魔術種の導き手たちの見えない思惑、踊らされることしかできない不快さ、諸々。作品に満ちるダークな方向性は、かなりきついですね。この手の作品は立て続けに読むものではないです。好きだけど。
終盤の展開は、予想を裏切る二転三転さが見事。にしても、キャラ立てが巧いだけに、この手の展開をされるとショックも大きいですな。結構気に入って多のになぁ。ということで、全編通して、非常に楽しめた一品でした。
魔女っ娘なんて軽々しい言葉では語れないほどの、咎を背負った(と思いこんでいる)冥子と、普通を嫌い、怠惰に日常を過ごしていたこれまでの生活を、一転捨てざるを得なくなった主人公・澪の奇妙な、それでいて暖かさを感じさせる現在進行形の関係は、失う代わりに得たもの、もう二度と取り返せないものを思うと、悲しいくらいの儚さの上に成り立っているものなのですね。
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