褒める場所が見つからない 難度の高い奇書
読了。
こんなに読むのが辛い小説は久しぶりでした。どこをとっても面白いと思えないなんて、作者氏には失礼かとも思いますがダメダメでした。
このレベルで商業誌として出版されてしまうというのは、編集部の審美眼が腐っているのか、あるいは、ジャンプなどで良くある代打的な出版だったのか。いずれにしても、作者氏には猛省と更なる精進を期待。次は買わないけど。
最低限、キャラが立っていれば、まだ褒めようもあったのに、どこの中学生が考えたキャラ設定だよ、みたいなのが主人公とヒロインでは、読んで楽しいと思える層は狭すぎなんじゃ。舞台となる架空のゲーム世界も、名前だけで現実感も気迫、説得力が全くないので物語の体裁を保ってられないです。あと、とにかく地の文と会話がつまらないのは致命的。読者を楽しませようとするのなら、リサーチ重要でしょう。別にパクれというのではなく、最大公約数的な面白さの閾値というのはあるわけで、そこを越えてるならどんなスタイルでも読者は楽しめるでしょうし、届いていないのなら読むことを放棄されても責めることはできないのでは。残念ながら、私にとっては後者だったわけで、ハズレと断言できるくらいのレベルの作品にお目にかかれるとは、世の中は広いです。
hReview by ゆーいち , 2007/06/16
- 黒白キューピッド
- 中村 九郎
- 集英社 2005-04
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