ファンタジーノベルっぽく、敵方(?)の暗黒面をほのめかした引きで、伏線大回収の期待が、弥が上にも高まりますね。第一巻で、最大最強の怪造生物を呼び出してしまった主人公を巡る展開は、スレイヤーズあたりから連綿と受け継がれている正道的なものですが、それ故に敵方となるキャラクターをどれだけ個性的に登場させ続けることが出来るかというのが、大きな課題となっていると思います。本作では、すでのその辺のパワー不足が感じられるのが残念ですね。伊依・舞弓と直接的に相対した“神”がやたらと小物っぽかったりする割に、舞台裏で暗躍する怪造学会執行部の面々の個性がやたらと印象に残ります。
伊依が最終的に対峙しなければならないものが、自らが身を寄せる学会そのものという皮肉。裏切りや挫折を繰り返し辿り着いたその事実に気付いたときに、伊依が思い選択することは一体何なのでしょうね。日日日はなかなかに容赦ない展開を見せることが多いので、期待半分・不安半分といったところ。本巻では梅子が桃子の二の舞にならなくて良かった良かった。桃子生存への期待も抱かせてくれたし、その辺のフォローは前巻の後味の悪さを引きずっていた人にはありがたいものかもしれません。
コメント