とある魔術の禁書目録(インデックス)〈10〉

2013年4月18日

とある魔術の禁書目録(インデックス)〈10〉読了。

学園都市を支配下に置こうとするローマ正教からの遣い、オリアナとリドヴィアのタッグに立ち向かう、上条さんたち、後編。

正直、不完全燃焼感が否めないなぁという感じ。後手後手に回り、周囲の人間を巻き込んで行きながらの中で、当麻の感じる不条理さや怒り、無力感などが空回りしてどうにも伝わってきませんでした。過程で巻き込まれた吹寄さんやら、姫神さんやらは、運が悪いで片付けられるような軽い被害ではないし、物語の都合上──ひいては当麻の怒りを確立させるため──傷を負わされた感が強いのですよね。

安定を求めるあまり、狂信的ともいえる敬虔な信徒であるリドヴィアにいいように使われたオリアナの大儀も軽いし、前巻での雪辱を果たせなかったステイルと土御門らの半端な活躍っぷりも物足りない。リドヴィアの末路については、意外に感じたというか。まぁ、あれで彼女の信仰が途絶えたかどうかというのは、曖昧にして答えを出してないあたり、また忘れた頃に他のキャラと同じように登場するかも。シェリーとかオルソラとか忘れてたって! 影薄かったから!

てことで、ストーリー的に不満ばかり募って、ちょっと残念ですね。相変わらずの美琴のスルーっぷりはもはや一芸の域に達してるし、新登場の御坂母の若作りっぷりとか、この作品の大人たちの不自然なまでの若々しさは一体(笑) 結局、当麻と美琴の大覇星祭のクラスの勝敗を賭けた勝負はどうなったのやら。罰ゲームに期待していたのにっ! 次巻でも引っ張ってたらしつこいですが。美琴のツンデレっぷりばかりが光ってたよなぁ。

エピローグでアレイスターの思惑も大筋で明らかになったり、時間は進まなくても、ストーリーの大事なピースがまた一つ揃ったのですかね。もっとも動機とかが不明なので謎ばかり。

結局、これまで存在を抹消されかけてた姫神さんを思い出してほしいというエピソードだったのではないかと勘ぐられては損ではないかと。上条勢力のキャラが増えすぎて、もうしっちゃかめっちゃかなのはよろしくないんじゃないかなぁ。