前作のキャラも登場したりするけど、それはプロローグとエピローグのみなので、それを除けばほとんど一本の長編で構成されたお話。かなりSF分が増えてきてる感じだけど、どうにもそのSF用語を使いたい感が強いだけで、ストーリーの味付け以上の価値はないんじゃないかな。
もちろん、登場人物たちが巻き込まれる奇妙な現象の根幹にはそういった考証によって理由付けされなきゃ説得力が出ないのかもしれないけど、前巻のオムニバス形式のように、理由は分からなくても、その中であがきながらも関係を進めていく男女の恋愛模様みたいなのが好きだったなぁ。
今回は前回のエピソードの過去にあたる話で、ラキアとあやしげなオッさんの会話から、いろいろ推測できることもあるように思います。なんか夢オチに近いような反則的な理由付けですが、そもそもラキアの存在自体が未だによく分からないものなので、その辺の謎が明かされないと評価しづらいですね。
シリアス風な展開を見せた、今回の哲平と弥生の恋愛模様は、なかなか楽しかったです。その分、前後に挟まれた後日談が蛇足にも見えてしまうのが残念ですね。無理矢理入れました的に見えちゃうんで。
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ラキア〈2〉
著者 周防ツカサ
イラスト 久麻
レーベル 電撃文庫
結構面白いシリーズになりそう。
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