ウィッチマズルカ (2). つながる思い

ウィッチマズルカ (2). つながる思い

読了。

前巻が「きょうだい」としての在り方を描いたのだとしたら、本巻は「ともだち」の在り方を描いたといったところでしょうか。物語の本筋は、おおよそ予想の範囲内という感じで、ビジュアル的に見栄えはするのですが、ををっ、という驚きはやや弱め。

むしろ、未玖と夏咲の不器用な姉妹愛であったり、ひなたのともだちを作ることへの怯えだったり、彼らの祖母たちの友情だったりと、人間関係の暖かさやすばらしさ、ふとしたことから行き違いになったりするままならなさとか、そういった人々の関係の描写の方が魅力的です。夏咲と母親との会話とか、家族の絆の強さを感じさせる情景がそこかしこにあって、魔女という重い枷に囚われつつも、ありきたりの幸せを求めようとしたりする姿がとても好み。

ストーリーのバックボーンがだんだんと明かされてきながらも、未玖の力の特異性が何に起因するのかというのは、はっきりとは説明されず気になるところ。大きすぎる力を持ったものの苦悩というのは、この手のお話の定番ではありますが、未玖と力を求める夏咲の関係が、この力を巡ってひび割れないことを願ったり。
あと、ひなたは1巻のクールさが消し飛んで、かなり色物と化してますね。ぜひ、この調子でこの作品の一服の清涼剤キャラの道を邁進してほしいです(笑)

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