電撃大賞に入選したときのタイトルは『もしも人工知能が世界を支配していた場合のシミュレーションケース1』。唐突に、何の説明もなく、閉鎖環境に放り込まれたときの群集心理を描きたかった、のか?
8つあるクラスのうち、主人公が転々としたのは3つのクラスで、他のクラスの状況が分からないのがえもいわれぬ不安感を煽る煽る。物理的な暴力はこのシミュレーションのシステム上できなくとも、精神的に死んでしまう可能性というのは十分に考えられるわけで、あるいは、最後の1クラス以外が全滅するまで、この悪趣味な隔離は続くのかなとか読み終わって思いました。
賛否両論なラストは、私も正直、否側なのですが、映像的にはエヴァの劇場版のラストが浮かんだ。うあ、そっちもロクでもないラストだったよ。
というか、話を畳む気がないこの構成のどの辺が評価されたのか、疑問。設定と奇抜さを除くと、キャラ立ちとかは皆無に近い気がするしなぁ。もしかして、この手の展開が、今の若い読者にはトレンドなのだろうか? ってこんな感想抱く時点で、ジェネレーションギャップですが。
ああ……せめて、世界の説明は欲しかった。どうにもすっきりしないもやもやが残ってしまいましたよ。
コメント
コメント一覧 (2件)
[土橋真二郎] 扉の外…
目が覚めたら、リクライニングシートに座らされていた。周囲にはクラスメイトがいるが、教室ではない。正面にある大きな液晶画面には、ソフィアと名乗る人物が状況を説明してた。 (more…)
扉の外/土橋 真二郎…
土橋 真二郎
扉の外
“重く、暗い”部分の思春期、或いは青春を満喫しているなぁと思いました。
読んでてイラついたのは文章の所為ではなく、絶対に主人公の所為です(笑)
冒頭…