不思議な少女・智奈と主人公・操の、初々しくも切ない恋物語。世界観は、前作にあたる『嘘つきは妹にしておく』と同じで、どこかで聞いたようなうわさ話や、人物名が出てきたりと、ほんのりと薄い関連性を見出せます。
雰囲気は、かなりシリアス寄りになっている感じで、所々に不気味な描写が入ったり、友人関係の変質とか、猫を被っている子の内心の吐露とか、なんかやけに生々しい部分も多々あったり。
智奈と操の関係の純朴さと見事に対照的というか。彼らのやりとりの一つ一つが幼さを残しつつも、大切な交流で、それは兄妹の真似事であったり、海への遠出であったり、特別なことでないながらも、思い出に残る出来事で。そういった描写が、ノスタルジックな情景と相まって、非常に良い雰囲気を漂わせていました。
終盤の展開とエピローグは、かなり驚かされましたが、このラストは秀逸だなぁ。二人の出会いから生まれた、一夏の物語の終わりは、それはそれは優しい嘘で彩られた、夢のような余韻で、そして一片のほろ苦い切なさを感じさせるのでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
[清水マリコ] 君の嘘、伝説の君…
読書感想文を読まされ、クラスメイトにからかわれたことが面白くない操。 そんな彼に話しかけて来たクラスメイトの神鳥智奈は不思議な事を言う。 「作文をください」「作文?」「 (more…)
なんかよさげだなぁ。
僕夏に繋がるものがあるんだろうか。
なんかこういうタイトル好きだ。
機会があったら読んでみよう・・・・タブンワスレルダロウケド