君の嘘、伝説の君

2007年4月12日

君の嘘、伝説の君読了。

不思議な少女・智奈と主人公・操の、初々しくも切ない恋物語。世界観は、前作にあたる『嘘つきは妹にしておく』と同じで、どこかで聞いたようなうわさ話や、人物名が出てきたりと、ほんのりと薄い関連性を見出せます。

雰囲気は、かなりシリアス寄りになっている感じで、所々に不気味な描写が入ったり、友人関係の変質とか、猫を被っている子の内心の吐露とか、なんかやけに生々しい部分も多々あったり。

智奈と操の関係の純朴さと見事に対照的というか。彼らのやりとりの一つ一つが幼さを残しつつも、大切な交流で、それは兄妹の真似事であったり、海への遠出であったり、特別なことでないながらも、思い出に残る出来事で。そういった描写が、ノスタルジックな情景と相まって、非常に良い雰囲気を漂わせていました。

終盤の展開とエピローグは、かなり驚かされましたが、このラストは秀逸だなぁ。二人の出会いから生まれた、一夏の物語の終わりは、それはそれは優しい嘘で彩られた、夢のような余韻で、そして一片のほろ苦い切なさを感じさせるのでした。