フレイアになりたい〈2〉 ハーデスが泣いている

2013年4月18日

フレイアになりたい 2 (2)読了。

岡崎裕信の書く作品のラストはどれも切ないですね。その辺が(残念ながら)万人受けしない理由の一つなんでしょうか。ということで、まさか出るとは思っていなかった『フレイアになりたい』の続編。そしてこれで完結だとか。なんですとー!?

前作のラストで、大切な友人を喪ったショックから立ち直りきれない瞳。そして自身と、若菜に残された最大5年という時間を、悔いのないものにするために、最初で最後の覚悟で映画を撮る決意を固めるのだが。
序盤は氏の作品らしく、軽快なテンポで会話が進むかと思ったら、いきなりショッキングな展開で急転直下。「悲しみ」の感情を操り、人を自殺へと追いやる神格能力「ハーデス」の使い手に対して瞳の取った行動は。

新キャラとして登場した、妹キャラ・夜空と、今回のキーパーソンとなる大垣の、心の内に抱えた「悲しみ」の昇華の仕方が対極で、そして立ち位置としても真逆にいるんだろうなあという感じでした。子どもと大人、停滞を選ぶのか、前進を選ぶのか。結局、前進を選んだ大垣の結末は、彼の歩んできた道程と、犯してしまった罪の重さからすると報われたものではなかったかもしれませんが、最後の彼の表情が笑顔であったということが、ただ一つの救いだったのかなと。

悲しみや絶望という負の感情の根源たる、青の神格能力者の瞳が、前作の夕陽のように、フレイアとして誰かを応援したいと願う気持ちが、彼女の存命中にどれだけ叶えられるのか、今後語られることはないのかもしれませんが、泣いて笑って、きっと満たされた時間を送ることができると信じられる、そんな物語。

……でも、あとがきのハジけっぷりは別の意味でインパクトが。集英社刊というメリットを最大に活かした傍若無人なまでの魂の叫びを聞け!

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