クジラのソラ 01

2007年5月16日

クジラのソラ 01読了。

素晴らしい出来。設定や世界観にSF要素が多分に盛り込まれているけれど、作品の中核となる《ゲーム》を制するためにはスポ根するしかないというのが大変熱い。

チームメイト・智香や冬湖といった傑出した才能に対するコンプレックスやら敗北に打ちのめされる屈辱やら、兄への憧憬やら、《ゲーム》に隠された想像だにしなかったリスクやら、未だ明かされない真実やら、主人公の雫にとっては、自分の夢を実現するための第一歩がようやく踏み出せたといった本巻。これから世界の強豪たちとの激戦をどのように戦い抜いていくのか、どうしようもない壁が立ちふさがったときに、《ジュライ》の面々は互いを支え合うことができるのか、人間ドラマとしても先が楽しみなシリーズです。

作中の設定として断片的に明かされる、《ゲーム》内の世界や、アウターシンガーの存在、知覚できないくじらの歌とか、気になるタームも満載。そもそも地球人を打ち負かした異星人が《ゲーム》を制した優秀な人間を引き上げる意図とか、その他の勢力の思惑とか、結構背後は入り組んだ伏線が散りばめられてる印象。ぜひ、打ち切りにならずに完結まで頑張って欲しいところです。

艦隊戦の描写とかは、短い文章で簡潔に行われているので、想像しづらいといえばしづらいですが、戦闘の展開のスピーディーさとかを考えると、あまり複雑化してもしょうがないのかもなあ。実際の戦闘時間も、数十分を超えると長期戦という風情だし。対戦相手との会話も、互いが望めば可能とかあったけれど、これは今後出てくるライバルキャラとの会話とか、そういった重要なシーンで使われそうだなあ。