とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード

2007年5月30日

stars どピンクな妄想吹き荒れる初恋 とらドラ! 番外編!

わははは。何この天然えろ娘。悪意なく自然に男目を引きつける仕草をするおにゃのこは反則だと思うのですよ。

タイトル通り、『とらドラ!』 の世界を舞台に、大河や竜児らは脇役に引っ込んで、これまでちらっと登場していた不幸少年・幸太と男らしい姉御な生徒会長・すみれの妹・さくらをメインに据えた嬉し恥ずかしの純情恋愛物語。
竹宮ゆゆこらしい筆致の冴えは健在で、テンポの良い展開と、所々で吹き出しそうになるような会話、綺麗に三部で完結するというすっきりとした構成で、『とらドラ!』本編を知らなくとも十分楽しめる内容。そして、大河が他人視点から描写されたときの恐ろしさも十二分に味わえるおまけ付き。怖すぎるぜ、手乗りタイガー。

本編キャラでは木村北村くんがこちらでもなかなかの活躍をしているのですが、生徒会長へ懸想する彼の想いの報われなさが至るところで感じられたりして少し切ない部分も。積極的にモーションかけてるのにあっさりとあしらわれて、生徒会長が彼の気持ちに気付いてないなんて事はないだろうに、ままならなさ満点。それでも夏合宿の最後のワンシーン、作品の締めでのふたりの描写はとても良いですね。さらっと流してるようで、これって結構本編にも影響してきそうな……。ますます大河に勝ち目はなくなってきたような気もしますが。

そんなこんなで全編に渡って、初々しい幸太とさくらの関係の進展が面白おかしく、そしてほんの少しだけ心に染みるラブコメの秀作。相変わらず安定した面白さの作品を書き続ける竹宮女史、恐るべし、です。

hReview by ゆーいち , 2007/05/30

とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード

とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード
竹宮 ゆゆこ
メディアワークス 2007-05