重い重い結末
智春らの天敵として描かれてきたような第一生徒会長・佐伯兄と妹の玲子嬢がクローズアップ。佐伯兄の機巧魔神の副葬処女・哀音を通して、機巧魔神を駆るということの大きすぎるリスクと、元演操者という存在の意味が開かされるエピソード。
修学旅行という一大イベントに乗じて、加賀篝の手により起こされた大規模な事件。正体不明のプラグイン・イグナイターを巡る争奪戦の結末としては、謎も明かされないわ、大きな喪失を味わわされるわと、智春にとっても大きな傷になりそうな出来事。
そして、悪魔に対抗するために生み出された機巧魔神のメカニズムに潜む悪意としかいいようのないシステム。縁あるものを副葬処女として捧げ、さらにその存在を食いつぶして戦うというのは、一体どちらが悪魔の所行なのかという矛盾を感じさせますね。
作中、終盤で加賀篝が語った、智春の兄・直貴の「失敗」とか、今後生まれてくる機巧魔神のために用意されているというイグナイターの効果とか。今後に続きそうな伏線も用意されて、大きな転換になったのは間違いなさそう。
だんだんと暢気な展開からシリアスな雰囲気をはらみ始めたシリーズですが、あんまり後味の悪い展開は勘弁してほしいかも。大幅に消耗してしまった操緒や、智春との関係がぎくしゃくしてしまった奏との関係の行く先も気になります。
hReview by ゆーいち , 2007/06/10
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