世にも不思議な死後のお手紙 短編集第2弾
死者の遺した想いを記した手紙を届ける配達人・文伽とマヤマの物語第2弾。
今回は3つの短編を収録し、様々な想いの形と、残された人々の感情の揺れ動きを文伽・マヤマとの交流を通して描いていきます。
ふとした事からヒーローに祭り上げられてしまった成り立ての消防士、飼い主の先行きを案じる猫、恋結びのキューピッド役を買って出た少女の仄かな恋の行方。死者からの手紙が生者に与えられる言葉は少ないけれども、そこに込められた想いが強ければ強いほど、それを受け取った人々が感じる感傷や寂寥の度合いは増していく一方で。
3編の結末のどれもが、少々苦みのある終わりを迎え、前巻にあったような心温まる優しいお話、という側面が弱くなってしまったのが個人的には残念ですね。
また今後の展開への余地なのか、文伽に関わる語りがほとんどなかったりで、彼女のシゴフミの宛先とかそういった伏線が未回収なのも消化不良感の原因でしょうか。次のエピソードではそういった部分の進展も期待したいですね。
hReview by ゆーいち , 2007/06/16
- シゴフミ 2―Stories of Last Letter (2)
- 雨宮 諒
- メディアワークス 2007-03
コメント
コメント一覧 (1件)
[雨宮諒] シゴフミ2 ―Stories of Last Letter…
毎日がかったるく、自分は消防士に向いてないんだろうなと思っていた桜井進は、昔の郵便配達夫を連想させる制服を着た少女と出会った。シゴフミを届けるという少女から受け取った手…