本当の自分は何処にある? 明かされる真実の重さがずしりと響く第2巻
突然大介のアパートへ、しかも彼の隣の部屋へ越してきたオズ。再会を喜ぶのもつかの間、再び学校へ通い始める彼女と、教師として赴任してくる異局の亜夜。前巻の激闘から生まれた噂のせいで、賞金首よろしくケンカをふっかけられまくりの大介は、かつて熱中していたジェットボードへの思いを再燃させて。
一方、まりんは後輩の沙織の面倒を見つつ、自身を不良品と呼ぶ彼女をなんとかしてあげたいと願い、ともに楽しみを見つけることを模索していく。
そして、新たな出会いが新たな戦いを呼び、大介の身に潜む〈幽霊〉にまつわる真実がついに明かされる。
盛りだくさんの内容で、次巻へ続き、さらに刊行が10月予定とか生殺しもいいところ。身も心もズタボロにされた大介の再起は? 沙織のこの事件への関わりは? ややおとなしめに見えたオズの活躍は今後あるのか? いろいろな伏線を匂わせつつ続いてしまいました。
キャラクターの魅力が前巻に比べてかなり伝わってきて、亜夜の異局の職員としての冷徹な顔と、教師としてのいっぱいいっぱいの顔のギャップとか、シリアスな雰囲気の中でも和むべきは和む、緩急自在の文体は好みです。大介の裡に潜む〈幽霊〉に対する不安とか、オズにとっての初めての経験となる他者とのコミュニケーションへの、自覚のない恐れとか、皆が個別に抱える内面の不安定さが伝わってきます。
引きが見事すぎるので、早く次巻が読みたくてたまりません。大介の折れかかった心に、運命へと再び立ち向かう勇気の火は点るのか?
hReview by ゆーいち , 2007/07/11
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