20年前の作品とは思えないほどラノベな吸血鬼アクション
人の世にひっそりと潜み、慎ましやかに生活する庶民派な吸血鬼たちの織りなす物語。主人公・淳司と“成り立て”吸血鬼の雅香のコンビがあれやこれやな事件に巻き込まれたり解決したり、の短・中編集。
本作が最初に世に出たのが1987年ということで、ちょうど20年前。古くささをほとんど感じさせない内容は今でも十分面白いなあ。今時の主流の派手なアクションとか、奇をてらいまくった謎解きとかそういったインパクト重視の展開ではないものの、描写の巧みさとか軽妙な言い回しとか、氏の筆力の高さが感じられますね。逆にいうと20年前の作品を、未だ越えられない作品が現在もごまんとあるということか?
ストーリー的には、秘密結社な真紅の薔薇結社の日本支部の構成員である、淳司や雅香、ジョーカー的な伯父さんの3人が、吸血鬼退治するというシンプルなものですが、だからこそ、料理の仕方が上手いというかデコボココンビなふたりの会話とか、所々に入る皮肉の効いた表現とか、うん、良い感じ。
イラスト担当の小林立の絵は、ロリぃけれどもえろいですね。この人の書く女の子はやたらとかわいくて大好きですわ。
hReview by ゆーいち , 2007/08/09
- ウェディング・ドレスに紅いバラ
- 田中 芳樹
- 集英社 2007-06
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