堕天使の旋律は飽くなき

2007年8月14日

stars 教誨師再び 無実の罪を晴らすために今度は誓護は東奔西走

妹の祈祝を溺愛する相変わらずなシスコン主人公・誓護は、クラスメイトの美赤の紹介でとあるフルート教室へ見学に。その帰りの道すがら、美赤から語られる親友の死。時を同じくして再び誓護の前に姿を現すアコニット。美赤を裁くために遣わされる教誨師・軋軋。暗躍する狂気の鈴蘭。美赤を信じ、彼女の無実を証明するために誓護が行動を開始する。過去の事件の真実はどこにある?

この事件の真相というか、黒幕はミステリものとしてどうよと思わなくはないのですが、事件の当事者たちの思惑の錯綜具合とか、事件の根底にあるすれ違い具合とか、なかなかに悲劇的な事件でした。登場人物が少なめで、ほぼ消去法で誰が怪しいかとかは、過去の再現とかを読んでいけば思いつくのですが、最後の最後の仕掛けは予想の斜め上。教誨師の原則とかそういうのを語っておいて、あっさりそれを翻してきますか。

アコニットがだんだんと柔らかくなってきてますね。人間なんてと思いつつも、彼女にとっての誓護の存在がどれだけ大きくなってきているかの証左。友人らしい友人を、身の回りに持たないアコニットだからこそ、彼女が誓護に告げた、盟友という言葉に重みを感じます。彼女が誓護に語れない秘密があるように、誓護が誰にも語らない秘密があるようで。その辺についても、信頼が積み重なってきているこの先において、どのような真実が語られるのかも気になりますね。それにしても、この微妙なデレぶりはかわいいですなあ。

そして、鈴蘭とアコニットの間にある気持ちのすれ違いがまだ謎。互いに友人関係を保っていた時代もあろうに、何が原因で一方は壊れ、一方はその名声を泥にまみれさせてしまったのか。アコニットが抱えている問題は、誓護と祈祝の関係に何か重なるものがあるようで、その辺の語りも含めて、二つの世界を挟んだ物語がどのように展開していくのか楽しみです。

hReview by ゆーいち , 2007/08/14