腹黒幼なじみが攻勢に転じ……って普通に可愛いよ?
夏休みの真っ最中。唐突に朋美からデートに誘われる秋晴。いつも通り、何か裏があるだろうと勘ぐる秋晴を尻目に、朋美はなんだか嬉しそう。そして当日、街に繰り出しデートらしいデートを堪能する二人を尾行する謎の人物が。いや、セルニアと早苗と、おまけの轟ですが。
そんな感じで、前巻で自分の気持ちを多少は自覚したっぽい朋美が秋晴と向き合ってみようとするお話。友人関係がいいのか、それから先の関係を望むのか、彼女自身がまだ決めかねてるような不安定さと、それでも楽しそうにかぶった猫を脱ぎ捨てて、素の自分をさらして遊び回る姿は、これまでの腹黒とのギャップが痛烈で、可愛いんですが。うん、やはり幼なじみは良いものです。
二人を尾行するセルニア一行も、なんだかんだで楽しい1日を過ごしていたり、世間ズレしたお嬢の相手は疲れるものの、轟がしっかりとこなして見せたりと、これまでのおちゃらけキャラとはまた違った一面?
二人からもらった携帯電話を前に途方に暮れる秋晴は、何気に自分の幸福さに気づいてないなあ。
その後、訪れた従姉妹の棗とのやりとりとか、鈍感ながらも見るべきところは見てる感じだけど、ストレートな感情表現以外は察するのが苦手なのですかね。秋晴自身の身の上も明かされて、結構ヘヴィな過去と、現在の人間関係を引きずっているようで、秋晴と棗の関係の一定の決着を見るにはもう少し時間が必要? あまりシリアスな展開になると、作品の雰囲気変わりそうだから、あっさりと片付きそうな気もしますが。
そして、唐突なライバル出現で、微妙に火花を散らす朋美とセルニアもまた良し。スポット参戦的にサービスシーン担当してくれる四季鏡姉妹はえろっちいですな。
最後の短編は、侍従科の生徒の男性がメイド服を、女性が執事服を、という理事長の横暴な決定に振り回されるお話。微妙な立場の大地が、秋晴を意識しながら決死の覚悟でメイド服を身にまとい、けれども、ホントに男の三家くんに女らしさで負けてしまって哀れ。大地の気持ち的にはかなり秋晴に傾いてるみたいだけど、どこかでカミングアウトしちゃうのかなあ。そうしたら同室のアドバンテージで大変なことに(笑)
そんなこんなで、少しずつストーリーも進行して、次は夏休み明け? フラグ立てまくりな秋晴ですが、本命は誰になるのやら。
hReview by ゆーいち , 2007/08/17
- れでぃ×ばと! 4 (4) (電撃文庫 こ 8-10)
- 上月 司
- メディアワークス 2007-08
コメント
コメント一覧 (1件)
[上月司] れでぃ×ばと!4…
夏休みも半分を過ぎたころ、秋晴は耳を疑うような言葉を、朋美から聞いた。デートしましょう、と。きっと何か罠があるに違いないと思ったが、ただ遊びに行くだけだという話を聞いて…