ひぐらしのなく頃に 第1話 鬼隠し編 上

2008年10月30日

stars 原作者自らノベライズ その出来は……ゲーム版そのまま?

昭和58年。都会から越してきた主人公・前原圭一は「部活」の仲間とともに楽しい毎日を送る。そんな日常の中で、ふと耳にしたかつてのダム闘争の歴史の影で起こったバラバラ殺人。その事実をひた隠しにする仲間たち。そして、毎年起こる連続怪死事件。今年も綿流し祭りの夜に誰かが死ぬ。同名のゲーム作品を作者自らがノベライズ。

内容知ってるとインパクトが薄れていくのは仕方ないかなあ。もともと文章メインで選択肢の存在しない物語だったので、原作のテキストを紙媒体に落としすために手直しをしたという印象が第一。展開はほぼ同じだし、ゲーム時代の演出の名残とも取れるようなテキストが散見されましたし。小説としての体裁を見ると、少し微妙な感じがしてしまうのはご愛敬なのかな。この辺は校正の段階で修正入れるべきだとは思いましたが。

上巻では綿流しの夜が明け、今年の犠牲者が生まれ、圭一の日常が壊れ始めていく場面までが描かれています。巻の大部分を日常描写に割いているので、比較的ほのぼのしたシーンでともすれば退屈と感じるのは原作と同じ。これからはどんどん奈落に落ちていくのがわかっていながらも、やはり名場面では寒気を覚えずにはいられませんね。

正直、原作プレー済みだと、あえて小説で再読する意味があるかどうかというのは、現段階では計れませんね。別媒体のコミック版とかはなかなかいい出来だったと思いますが、小説版は原作から絵と音楽が抜けてるので、演出面では弱い感じがしますね。その辺の判断は下巻を読んでから。当分リリースが続くので、今後のシリーズを読むかどうかは次で判断しようかな。

hReview by ゆーいち , 2007/09/05