ネクラ少女は黒魔法で恋をする〈5〉

2007年9月20日

stars 大団円の最終巻 表紙の真帆の表情の変遷がそのまま彼女の成長を表してます

「君が魔法を使うことを知っているよ」生徒会長に唐突に告げられたその一言。彼はとある魔法の実現のために、真帆の力が必要だという。「昔を思い出させてあげよう」そう告げられた次の日から、真帆の世界は微妙に変わる。周囲から囁かれているように感じる悪口、ネガティブな思考、かつての自分に戻ったかのような感覚に戸惑う真帆。演劇の大会を目前に、部活のメンバーとぎくしゃくし、思いを寄せているはずの一之瀬先輩に対して口をついて出た言葉はまったく望んだものではなくて。シリーズ最終巻。

前向きに変わりつつあった真帆が、周囲の圧力を意識してしまい追いつめられていく序盤~中盤。彼女の役割が、天使にとっても、悪魔にとっても釣り餌のようなものだったという幕裏まで明かされて、これまでの伏線の大回収。まぁ、大した理由ではないんですががが。

これまでの月日を経て、成長してきた真帆の真価が発揮される終盤。過去を否定せず、受け入れ大切にし、その先にある未来のために前向きに生きていたという沙倖先輩の、思いを受け継いだかのような姿がまぶしいですね。なるほど、演劇の配役も適役ということ。

結局、彼女の気持ちが一之瀬先輩に通じたかどうかは、まさに神のみぞ知るというところ。けれども、最後の最後、真帆のこれ以上ないくらいの幸せな笑顔を見る限り、結果がどうなろうと、もうかつてのようなネクラ一辺倒な少女に逆戻りすることはないだろうなというラスト。シリーズを通して、しっかりと成長してきた彼女の物語の一端の終幕としては非常にきれいなものだったと思います。表紙のイラストを並べてみれば、彼女の成長も見られようというもの。こういうハッピーエンドは大変よろしいですね。

……でも、あとがきクイズの答えはわからないの。

hReview by ゆーいち , 2007/09/20

ネクラ少女は黒魔法で恋をする〈5〉

【MF文庫J】ネクラ少女は黒魔法で恋をする5(完) (MF文庫J (く-02-05))
熊谷雅人 えれっと
メディアファクトリー 2007-08-24