井上さんの恋の行方は……? シリーズ完結 思い切ったラストです
祓い師の手伝いを続ける道弘の日常は二足のわらじ。タイミングの悪いことに仕事と、微妙な距離感を維持したままのガールフレンド・井上さんとの予定のダブルブッキングが続いたりとままならない毎日。そんな中、ふたりが関わった大小様々な事件を通して、彼らは互いの想いを少しずつ形にしていって……。
前巻が唐突に霊の世界に足を踏み入れさせられてしまった道弘の混乱を描いていたのなら、本作ではそんな他人には理解できないであろう世界を、受け止め、理解し、自分のなすべき事を見つけていくまでを描いていますね。同調者としての役割の意味、生きているということ、死ぬということ、道弘のような年代ではなかなか真に理解できないような事柄を、少しずつ自らの糧として成長していく姿はなかなかに頼もしいものでした。
ストーリー的にはまだまだ続けられる余地があるのに、ここで完結させたのは英断と言っても良いかもしれません。こういう落ちはしんみりしてしまうものですが、作品の中で語られてきた出来事や、成長の過程を見ていると、その先の未来はやはり明るいものがあるのかなあと。想像で補完するにしても、幸せな光景以外の入り込む余地のないエピローグは良いですね。ふたりに幸あれ。
hReview by ゆーいち , 2007/09/27
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