ヤツに逆らうことは死を意味するッ! これが世紀末学園生徒会長・剣シロオだッ!!
正義を任ずる生徒会長・剣シロオは生徒たちが健やかに学校生活を送ることができるよう、生徒会活動に余念がない。「魔女」と呼ばれるほどの、ある意味理不尽なまでの暴力による鉄拳制裁が主だけれど。曰く、「生徒会長には逆らうな」。唯一にして絶対の不文律を身をもって味わわされた不良は遅まきに自覚する。
そんなある日、エリート揃いの「天国」──A校舎で刃物沙汰。苛められている少女はオセロ、苛めている少女はニケ、オセロをニケから守ろうとする少年はケルビム。ニケとケルビムを問答無用で蹴り倒し、結果オセロを助けたはずのシロオは、逆に彼女から責められて。何やら複雑な事情があるようで……。
MF文庫Jの前シリーズである『蟲と眼球』シリーズは、まぁ、悪意だらけの気持ち悪い世界だったけど、今回は少し前向き。狂乱家族とアンダカを足して2で割ったくらいの雰囲気。やってることは勢い任せの勧善懲悪、ただし独りよがり、みたいな。
シロオと、語り部となるミミクロは、かつての幼なじみで、今はとある事情からミミクロはシロオに存在を認識されることのない関係に。文字通り生きながら幽霊として生徒会に身を置くミミクロは、シロオを見守り、時には一方的に諫め、まるで贖罪のよう。
登場人物の境遇も、語られたもの語られなかったもの、いろいろあるけどやっぱり基本はなにがしかの欠損を抱えてそうな人々。今回の事件の中心となったオセロとニケ、ケルビムの関係はどうしようもなく手遅れになっていそうでありながら、最後の最後で一線を守り通した感じで、こういうラストは切ないけれども多少の救いがもたらされている感じで、悪くないです。トンデモなバトルは、ハッタリ半分と作者も言ってるし、深く考えずに漫画的バトルということで納得。
冒頭のプロローグが、また、衝撃的で、作中のシロオの活躍を見ると何があってそうなるのか、非常に気がかりなんですが。文字通りのバッドエンドへ直行してしまうのか、あるいは一発逆転の大団円を目指すのか。作者が作者なだけに一筋縄でいくような甘い物語ではなさそうですが、これからの行く先が楽しみな物語でもあります。
hReview by ゆーいち , 2007/11/15
- 魔女の生徒会長 (MF文庫 J あ 2-7)
- 日日日
- メディアファクトリー 2007-10
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[日日日] 魔女の生徒会長
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[書評][日日日][魔女の生徒会長][アクション][学園異能][★★★★]魔女の生徒会長
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