とある魔術の禁書目録〈14〉

2008年8月14日

stars 科学サイドvs魔術サイドの総力戦 勃発間近! 上条 フランスへ飛ぶ!

世界で頻発する反科学技術・反学園都市デモ。20億の信徒を要するローマ正教の権威を以て、行われるそれは、世界経済、ひいては学園都市に深刻な影響を及ぼすと予想された。渦中にありながら、規模の大きくなりすぎた混乱に手も打てず、歯がみする上条は、学園都市の統括理事会のを構成するある人物から、このデモの背景には異能が――C文書と呼ばれる霊装――が用いられていると告げられ……。

表だっての激突は起こらなくても、着々と戦争の準備が進む学園都市とローマ正教の両サイド。冒頭のはっちゃけっぷりから一転、これから起こる戦争に対する不安とかが感じられ、実際に戦場と化した地域の荒廃っぷりとかを見ると、どうにもやりきれない気持ちになりますね。

上条の右手に宿る、「幻想殺し」についてもさらなる秘密がほのめかされ、そして新たに明かされた「神上」と「神浄」という言葉の意味も気になります。「神の右席」の目的自体も、本人たちからはっきりと明かされたわけではなく、想像の域を出ないものの、その目的が正教徒すべての救済からかけ離れてきそうな雰囲気さえありますね。

次巻への繋ぎと激動の転章の巻。最後の最後でとんでもない引きが用意されていますが、これは御坂美琴の真ヒロインフラグとなるのかどうか。というか、彼女の行動一つで、上条の周囲はがらりと空気を変えかねないだけに、美琴の選択が持つ意味というものは、とてつもなく大きなものになりそうです。

hReview by ゆーいち , 2007/11/20

とある魔術の禁書目録 14

とある魔術の禁書目録 14 (14) (電撃文庫 か 12-15)
鎌池 和馬
メディアワークス 2007-11-08