荒川工ラノベ界に降臨 ってこのノリは相変わらず楽しいわー
失踪した父の「死」が確定し、遺品を整理していたにこは、偶然指輪を発見する。うっかりぽっかりその指輪をはめてしまったらさあ大変、自らを「神さま」と名乗る少女が突然現れて一言告げました。「契ろう」って。ええええええええ!?
ということで、我が心の師の一人、荒川工のラノベ参入作品でございます。物語があるのかないのか分からない。とにかくテンション上げまくったボケとノリとツッコミに支配された世界。中学生のにこ(女)に迫る神さま(女)って時点で、もうどこから突っ込んでいいのかという設定ですが、出てくるひと出てくるひと、誰もがどこか頭のネジがゆるんでいて軽くてユルいお話です。
にこの背景には、父が失踪したことを契機に、男性への不振が根深くあるのだけれど、彼女の脳内お花畑から生み出される妄想──もとい誤解の数々は、オトコノコに興味津々なオンナノコのそれですから! 間違いなく。
てなことで、神さま──あいんと名付けられた無垢な存在の過去が仄めかされると、それは父親の失踪とも絡んでいそうだし、そもそも彼女がにこと契ってしまったら世界が滅びるというおまけ付き。いかにもなセカイ系の外見を装いながらも、そこにほとんど苦悩とか重さを感じさせないながらも、意外に奥深い設定が眠っていそうな本作。続刊出てくれるのかなあ。出てほしいなあ、という一冊です。
ああ、やっぱり荒川作品は大好きだ。
hReview by ゆーいち , 2007/11/23
- にこは神様に○○される? (ガガガ文庫 あ 1-1) (ガガガ文庫 あ 1-1)
- 荒川 工 ことみ ようじ
- 小学館 2007-10-18
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[荒川工] にこは神様に○○される?
父が疾走してから七年が経ち、法的に死亡が認められた。中学二年生のにことしては、妹の沙梨には苦労をかけたくないと思っていた最中、父の部屋で綺麗な指輪を見つけた。こんなもの…