Re:ALIVE 1―戦争のシカタ

2013年4月18日

stars 見えない戦争 人死にの出ない戦争 それは皮肉で過酷な運命

拓真颯と奈月奏は友だち以上恋人未満、端から見ればそんな関係。バンド仲間に冷やかされつつも、最近妙に接近している自分たちの関係に煩悶してみたりと青春真っ最中。世界は戦争中と報じられてはいるものの、それはTVの中で語られているだけの遠い世界の物語。自分たちにはきっと縁のないものだと、そう思っていたけれど。

プロローグでネタ晴らし気味で、そこからなにがしかの大展開が待ち受けているかと思ったらそのまま終わってしまいましたよ!? というか、終わったんですよね? なんとも後味の悪い結末です。嫌いじゃないいんだけど、フォローのあるなしとか、伏線の張り方の上手下手で結構評価は分かれる方法。今回のは微妙かなあ。

死人が出ない戦争。ヘキサゴン領域と呼ばれるなにかを奪い合う戦争。FLAG。いろいろ用語が出てくるけど、後出しなので少し混乱してから解説というのはちょっときつい。ただ、終盤でFLAGの意味とかが分かると、なんで死人が出ていないのかとかはある程度納得できるかな。もっとも、どうしてそのようになったのか、という根本的な謎はそのまま残されているのですが。

序盤の颯と奏のいちゃラブっぷりとか、友人たちとのたわいもないやりとりとかは結構好きな展開で行っていたんですが、バトル要素が出てきた辺りで、ん? と思ってしまったり。最近の流行の強いヒロインではなく、主人公が男友だちに守られる展開というのは、どの辺の需要を見込んでるんですか、と。仲間内での確執とか裏切りとかは良くあるパターンだけど、配役を微妙にミスっている気がしなくもないです。

ナンバリングされてるのだから次巻が用意されてるんだろうけど、今回のバッドエンドはそれで終わって別の話になるのかな? あるいは、またあれこれした末の、文字通り続きからのスタートになるのかな。颯と奏の過酷すぎる結末はここじゃなく、ハッピーエンドなゴールであると思いたいのだけれど。

hReview by ゆーいち , 2007/12/01

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壱月 龍一
小学館 2007-06-19