化物語 〈上〉〈下〉

2008年8月21日

stars 文句なしの面白さ! 積んでて済みません!!!

いやさ、厚いと思って後回しにしてた自身の不明を恥じるね!!

ということで、買ってからまるまる1年積んでた私はダメダメだったと思います。いつも話題作に乗り遅れるけど、今回もまた後悔してしまったなあ。今年読んだ作品中でもダントツで面白かった。うん、心がふるえるとか、感動で涙が出るとかそういう方向での面白さじゃなくて、単純に純粋に気持ちがいいくらいに面白かった。読んでて楽しくて、作中のキャラ同士の会話にリアルで吹き出し、最後の最後まで一気呵成に読了。面白い、楽しい、そういう方向へ突き抜けたお話でした。

主人公の阿良々木暦は、クラスメイトの戦場ヶ原ひたぎと知り合い、彼女の事情を解決してからというもの怪異絡みのトラブルに連続して巻き込まれていって。そんな彼と知り合った彼女らを阿良々木が助けようとしたりしなかったり、いや、助けるんだけど勝手に自分たちで助かっていくようなお話。

斜め上の会話は西尾維新作品では良くあるけど、本作は作中の会話の大部分が実があるのかどうかも疑わしい、そんなお馬鹿な会話。良くもまぁ、ノリと勢いでこんな会話がぽこぽこ生まれてくるわと、変な方向で感心してしまうことしきりなダメトークの数々。本を開いてまともな会話のページに当たることが少ないんじゃないかって思えるくらい、ダメ。ダメ。いや、本気で面白かったんだけど。

阿良々木はまさにえろげーの主人公的なポジション。事情はあってこれまで人付き合いも満足にしなかったくせに、春休み中の事件以降は自称ツンデレな戦場ヶ原とか、委員長オブザ委員長の羽川だとか、最強スポーツ少女(百合)な神原だとか、迷子の小学生な八九寺だとか、妹キャラのスタンダードな千石だとか、よりどりみどり……ってかなんだよそのシチュエーション。キャラの属性が典型的だからこそ、その口から発せられる斜め上な会話がインパクトがあるし、強烈に魅力的に感じるわけで。ここまで突き抜けたキャラが勢揃いしていながら主人公が全員にツッコミを入れられるというの、ある意味すごいスキルを持っているとは思うんだけど(笑)

つーことで、作中の蘊蓄とか構成とかも大したものだと思うけど、純粋にキャラクターの魅力だけでここまで心酔させられたのは久方ぶりというかほとんど記憶にない。それくらいに楽しませてもらった一作。いやいや、「自信作」に偽りなし。素晴らしい作品でした。ってことで、

[tegaki]化物語 蕩れー[/tegaki]

hReview by ゆーいち , 2007/12/02

化物語(上)

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