れじみる。Junk

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stars セカイにさよなら そしてありがとう

本編完結後、学校での文化祭を舞台に、「かつて」と「これから」を描いた短編集第2弾にして、シリーズの最終作。

書き下ろしが多いので、ほぼ新刊として見てもいいかと思いますが、やはり特筆すべきは、本編完結時点で気になった蜜のその後が描かれた「ありがと、ばいばい。」
蜜というキャラクターは、その設定上からもキャラクターとしての描かれ方としても、シリーズを通して傷付き続けてきた印象が強くて、最終巻での全てを失って、けれど取り戻せたもののあまりに少ないラストを残念に思っていたのですが。このエピソードが描かれたことで、ようやく彼女が望み続けていた日常への近づきができたのではないかなあと感慨深いですね。

そして、主人公側の人物として唯一の「大人」である、佐伯ネアの最後の贈り物であったり、表に見せない感傷であったりも切なさと感動をくれます。この辺は、絵師である椋本夏夜氏の作品への思い入れが感じられて、本当に作者サイドからも愛された物語だったんだなあと思います。

他の短編も、本編とは違ってかなり暴走気味ではありますが、上手いことリンクされてるし、「いま」からもう居ない人たちを回想する所々は、本気で涙腺刺激されるのでやばいんですけど大好きだ!

そんな感じで、今度こそ本当にさよなら。そして、ありがとう、ですかね。この巻を読んで、ようやく何か報われた気持ちになれました。

hReview by ゆーいち , 2007/12/23

れじみる。Junk

れじみる。Junk (電撃文庫 ふ 7-15)
藤原 祐
メディアワークス 2007-12-10
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • [藤原祐] れじみる。Junk

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