ホロとロレンス ふたりの睦言の応酬に身もだえる
毛皮でのもうけ話で共同戦線を張ったエーブに出し抜かれ、はらわた煮えくりかえるホロ。ロレンスに対する怒りはそれだけではないけれど、それを素直に言い合えるはずもなく、旅の終わりを先延ばしにするためにも、水路でエーブを追いかけることに。
商売の話と少し離れた第6巻。ホロとロレンスの仲はどんどん深くなっていって、なし崩し的に告白までいってしまいましたね。上手いことはぐらかしはぐらかせ、でも、その嬉しさは隠しようもない感じ。言葉遊びを重ね、直接的でないかたちでお互いの気持ちを確かめ合うふたりの会話は見ていて気持ちいいですね。
今回、コルという少年がふたりの旅に新たに加わり、少しだけにぎやかに、けれどこれまでのようにふたりっきりならではの甘い会話はできなくなっていくのかな、と。ホロのいう予行演習の意味は直球で、なんとも恥ずかしい台詞ですが、これまで別れを恐れ、ただその訪れを先延ばしにするだけだったことからすると、ずいぶんと前向きな言葉になってますね。
一つの旅の終わりは、新しい旅の始まりであるというシンプルな答えにようやく至り、彼らの旅路はまだまだ続くってことですね。
hReview by ゆーいち , 2007/12/30
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[支倉凍砂] 狼と香辛料 6
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