ラッキーチャンス!

2008年1月3日

stars 元疫病神から福の神へ華麗に転身!? ってその肩書きの段階で泥船に乗った気分なんですが……

「日本最強」を自称する“ごえん”使いの霊能力者で高校生の主人公・外神雅人はなぜかとことん運がない。運のなさでも日本一やもしれぬ彼の元に、福の神・キチがやってきた。雅人を幸せにすると意気込むキチは、けれど福の神になりたての新米で、やることなすことちょっと空回り気味。不幸のどん底にありながら健気に前向きに生きる雅人は、ここから幸せを手に掴めるのか!?

ゆのは!? ゆのはじゃないか!?

というのは置いておいて、有沢まみず作品は初。『いぬかみっ!』はすでに既刊が結構出てたので手を出してなかったんですが、新シリーズということで読みました。

不幸な主人公と世間知らずな福の神の少女という組み合わせはコメディとして非常に楽しく仕上げられる素材ですね。雅人が霊能者ということで、第1話でバトル的な描写もあったんですが、2話3話ではその辺なくてコメな展開。なんとも空気が暖かくて、読んでいて安心できる雰囲気です。

ヒロインとなる福の神のキチは、元・疫病神というスゴい肩書き。長い年月を生きているはずなのに、その性格や知識は外見通りの幼いもので、世間知らずな彼女に振り回されつつも、それに順応して新しく始まったふたりの生活を楽しんでいこうという雅人の態度も真っ直ぐで好感です。そのおかげで、気になる彼女との距離は微妙な感じですが、朴念仁な主人公がそのフラグに気付かないというのはもはやお家芸といっても過言ではなく、すわ三角関係!? と修羅場を予想しても、このいい人揃いな世界だとなんとはなしにほのぼのしてしまいそう。

シリーズものなので、第1巻は説明的な部分もありつつ、綺麗にまとまっていましたね。エピローグでなんだかタイムリミットを予感させる描写があるんですが、それが何を意味するのやら。キチの出自に絡んだものなのか、後半は何気にシリアスな展開が待っているのかな? ともあれ、お話的に楽しませてもらったので、続刊に期待が持てます。

──全くの余談ですが、キチから、ゆのはかスワティのどっちを連想するかで世代が知れると思いました。ええ、私はどっちも知ってますともさー。

hReview by ゆーいち , 2008/01/03

ラッキーチャンス!

ラッキーチャンス! (電撃文庫 (1528))
有沢 まみず
メディアワークス 2007-12-10