遥かに仰ぎ、麗しの ~そのてにつかんだひかり~

『遥かに仰ぎ、麗しの』美少女ゲームアワード2007大賞およびその他部門賞獲得おめでとうございます。

一ファンとしてこの結果を大変嬉しく思ってしまい、勢い余って記念 SS などを書いてみました。

その場のノリで思いついた駄文ですが、ご笑覧いただければ幸いです。あ、かなり暴走気味なので、まじめな文章を期待する人は思いっきり裏切りますのでご了承ください。

それでは……。

そのてにつかんだひかり

「よし、学院生全員を講堂に集めろ、司」
 いきなり理事長がワケの分からないことを言い出した。
「……は?」
 唐突なその物言いに、僕はバカみたいにぽかんとした表情を浮かべたハズだ。あるいは、みやびのそんな言動に慣れてきたことを証明するかのような、やれやれまたか、という苦笑だったのかもしれない。
「お嬢様?」
 理事長室でいつものように、みやびの補佐を勤めていたリーダさんも、彼女の言葉に怪訝な表情と言葉を返す。
「ほらほら、これを見てくれ、司」
 僕らの言葉を聞いてないのか軽く受け流したみやびは、手招きして僕を呼ぶ。
「ここだ、ここ!」
 妙に嬉しそうに弾んだ声が心地好く響く。
 まぁ、楽しそうにしてるのはいいことだと思うけれど、その理由が分からないのはちょっと気持ちが悪い。みやびの悪巧みに荷担するのもハメられるのも正直ご免被りたいので、ここは一つ、その真意を確かめなければ。
「ん? これは?」
 やたらと立派な大きさを誇る液晶モニタに映し出されたWebブラウザに躍る文字は『美少女ゲームアワード2007 結果発表』そして『大賞 遥かに仰ぎ、麗しの(PULLTOP)』
「ちょっと待った、みやび!」
「ん? 何を驚く? このあたしが大賞を取るのは当然だろう。それに見ろ、BGM賞・純愛系作品賞・シナリオ賞・ユーザー支持賞とあわせて五冠だぞ五冠王。風祭の至宝たるあたしの前にはタイムリース社など恐るるに足らず!」
「いや、そんなネタわかる人にしか分からないから。って君今何歳なんだ? 待て、それも発言したら危険な気がするから答えなくていい」
 なんだこのメタ展開? 誰の陰謀だ?
「司は細かいことにこだわるなあ。いいじゃないか、2007年最優秀はあたしだってことに決まったんだろう? 当然の結果ではあるが、こうして世にあたしの優秀さが知らしめられるのは大変結構なことだな。ひいては凰華女学院の名声もいっそう轟くことだろう!」
「まったくで御座いますね、お嬢様。おめでとう御座います」
 ずびしっ! と指をモニタに突きつけて、ない胸を張って高らかに宣言するみやび。リーダさんはなんだか的外れなことを言ってるし。なんだろう、もう、考えるのが面倒になってきたな。めでたいならめでたいで、いいんじゃないかとか思えてきた。
 ──はっ! いかん、このままではこのおかしな展開から脱出できないではないか。負けるな、滝沢司。
「あ~、というか、みやびがここにたどり着いたこと自体が信じられないんだけれど」
 そもそも、ネットで行っているようなイベントにみやびがなんで興味を示したのか。
「相沢が教えてくれたぞ? 『みやびー、この賞を取れたら誰もみやびーのことバカになんてできなくなるよ』って」
 あ・い・ざ・わ~!?
 あいつか、余計なことを吹き込んだのは。負けず嫌いのみやびを思い切り焚きつけて、何をするつもりなんだ。
『にゃははは! そんなの決まってるじゃない。その方が面白いからだよ! いろいろとね!』
 当然のように満面の笑みを作る相沢の姿が浮かんでそう答えた。
「それで、だ」
 ふふん、と得意げにワルそうな笑みを浮かべるみやび。
 あ~、法に触れるようなことしてないよな? そんなのでみやびを──風祭を縛れるとも思ってはいないけど、僕はまだ綺麗な身でいたいぞ。
「そうなったら、あたしは全力を出すぞ? いずれにせよ、あたしの活躍を全国津々浦々まで届けなければならんかったからな! こほん。──ついでに、お前たちも有名になるし、いいこと尽くめだ」
 あたしの家族の名誉はあたしの名誉同然だからな、と照れくさそうに付け足してそうのたまった。
「ありがとう御座います、お嬢様」
 喜色満面でリーダさんがみやびに頭を下げる。
「ふふふ、気にするな、リーダ。お前ほど優秀なヤツなどそうはいない、誇っていいぞ。当然あたしは誇る。これでもかと全力でな!」
 だめだ、みやびが止まらない。
「というわけで、ここを見ろ」
 かたかたと軽やかにキーを鳴らし、ブラウザが新しいページを表示する。
「げ」
 画面に表示されたのは見間違いようもない我が凰華女学院の学舎の偉容と、見慣れた面々の姿。
「ふふん、どうだ、あたしの実力は。素晴らしい出来映えだろう?」
「お嬢様、素晴らしいです」
 リーダさんの追従。待って、リーダさん、みやびを調子に乗らせないでー!? というか、リーダさん本気で喜んでる!?
 かち、かち、とマウスをクリックして、ページを切り替えていくみやび。
 ──このサイトにはアダルトコンテンツが含まれています。
 18才未満の方・アダルトコンテンツに嫌悪感のある方のアクセスはご遠慮下さい。──
 ととりあえず僕の脳内に表示しておこう。18歳未満のひとは、ちゃんと大人になってから見るんだぞ? 君と僕との約束だ。
「あらあら。『みやびちゃん、ぷりちー』」
 みやびが嬉しそうにクリックしたボタンに応じて流れてきた、やたらと聞き慣れたその声を真似てリーダさんが言った。
 みやびちゃん、ぷりちー。
「おいおい、これを公開したってのかい? 後悔したんじゃなくて?」
 さすがに、これは、いろいろと倫理的に問題になるんじゃないのかい、理事長。教育者としてあるまじき行いだ。
「ああ、その辺はぬかりない。危険なところはちゃんと省いているし、業者は風祭の孫請けの孫請けの孫請けを迂回して巧妙に隠蔽しているからあたしの名前がばれることもない。それに、こう言うのだろう?」
 ──この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは関係ありません──
「思いっきり関係あるよ! これ、どう見ても君たちじゃないか!?」
 思わず叫んでしまった。
 画面の中であられもない姿をさらしているのは、どう見ても……。ゴクリ。
「む、そう言いながら何をじっくり見ているのだ、司。いやらしい。あたしだけでは満足できないのか?」
「そうですよ、司様。司様はお嬢様と私を愛して下さっているのでしょう。他の女性に目移りしては失礼です」
「全くだ。聞いてくれ、リーダ。あたしが一生懸命努力しても、司は笑ってあたしをいじめるんだぞ? あたしだって司をいい声で鳴かせたいのに!」
「まぁ、それでは、こういうのはどうで御座いましょう?」
「ふむふむ。う、それは、さすがにどうなんだ? いくらなんでも、恥ずかしいぞ……」
「いえいえ、お嬢様。殿方はこういうことが好きで御座いますから、きっと司様もご満足いただけますよ」
「む、そうなのか。さすが、リーダだ」
 あの、話が、何処へ向かっているんですか? そういう話は僕のいないところでしてくださいねー。
「と、ともかく!」
「なんだ、司。いいところで邪魔をするヤツだな、お前は」
「ふふふ、司様、今夜はご期待下さいませ」
 言葉の端に音符が浮かぶような、いたずらを成功させた子どものような、無邪気な笑みでリーダさんが言う。可愛いなあ、リーダさん。こういう顔は滅多に見られないから貴重なんだよね。
 って、そういうことじゃなくて!
「一体何が不満だと言うんだ、面倒な男だな、司。嫌われてしまえ、あたしとリーダ以外の女から」
 ああ、もう何が何だか。
 何がみやびの闘志に火を付けたのか分からないけれど、思い立って、それを実行に移して、しかもここまでやってしまった行動力自体は褒めてあげたい。あげたいんだけれどね。
「しかしまあ、無駄に凝ってるな。一体いつの間にこれだけ写真取ったり記事書いたりしたんだか。ん? 『ミス凰華コンテスト』って、そんなのやってたっけ?」
「え? あ、待って、司っ。それは!」
 ぽちっとな。
「わー、待てとゆーのに!」
「ほうほう、これはこれは……」
 なるほど、みやびが隠したがるわけだ。
「一番人気は殿子だったのか」
「……っ! あ、あたしだってなあ!」
「うんうん、みやびは僅差で二位か。惜しかったみたいだね」
 なでなで。
「ムキー! なんでそんな生暖かい目であたしを見る!? これは何かの間違いだ! あたしが殿子に負けるなんてそんなの認められるか!」
「みやび、時には自らの負けを認めるのも必要だよ」
「ほら、よく見ろ司! 得票数にほとんど差はないんだ! な、これなら同率一位ってことにしたっておかしくないよな? そうだよな?」
「でも、負けは負け……」
「うるさい、黙れ!」
 ばきっ。
 殴られた。
 怒りに肩を震わせるみやびの双眸に凶悪な光が宿っている。
「ま、待てみやび。話せば分かる」
「分からん。司の意地悪なんて聞くもんか!」
「はいはい、分かった分かった」
「うわーん!? リーダー! 司があたしをいじめる!!」
「ああ、お嬢様、お労しい。申し訳御座いません。私の票をお嬢様に差し上げることができればこんな結果には……」
「ありがとう、リーダ。その言葉だけであたしは救われる……」
 あれ、なんか勝手に自己完結してますよ、みやびさん?
「ふふふ、そうだ、そうなのだ! あたしがこのまま負けたままでいるとは思うなよ!? 次だ、次を見ているがいい。風祭の圧倒的な力を見せつけてやる。ふはははは!」
「……次なんてあるのかなあ?」
 正直な疑問を口にしたとたん。
 どばたん!
「あるよ! センセ! ないわけがないじゃない!」
「あ、相沢?」
「そ、センセの愛しの相棒、みさきちこと相沢美綺ここに参上!」
「ちょっと待て! 今聞き捨てならないこと言わなかったか、相沢?」
「まぁまぁ、みやびー。そんな細かいことはさておいてさ」
「あうあう、みさきちー、どうして私たちここに来たんだっけ?」
 あ、上原。お前まで何してるんだ。というか、二人して盗み聞きしてたのか? 防音ばっちりなこの部屋の会話が聞こえるとは思えないけれど。
「通販さんに頼めばそんなの無問題! 秘密道具の蓄えはばっちりだよ」
「相沢。頼むからひとの心を読まないでくれ」
 というか、通販さん、何でも持ってそうだな、あのひとも。
「あっ、そうそう、みやびー、話はばっちり聞かせてもらったよ。また何か新しいこと始めるのかな? みんなを講堂に集合させようって言ってたけど」
「お前、それ、最初っから全部聞いてたってことか……」
「ふふん、大丈夫、お三方のプライベートに関する部分はちゃんとオフレコにしてあげるから」
「待てー!?」
「にひひ、愛されてるね、センセ」
「お前にはやらんぞ、相沢。司はあたしとリーダのだ」
「はいはい、ごちそうさま。馬に蹴られて死にたくないから、アタシは二号さんで我慢しておくよ。あれ、この場合は三号さん?」
「二号でも三号でもダメだったらダメだ! あたしとリーダのあとは永久欠番!」
「ちぇ。ふーんだ。ま、いいか。それより話を戻すけど」
 戻すんだ。もう、切り上げて終わりにしてほしい。
「何々? これから何するつもりだったの? 教えてよー、みやびー。あのページに使った写真を提供して記事書くのも協力してあげたじゃないのさー。アタシのジャーナリスト魂が疼くんだよね、これはきっとネタになるって、さ!」
 相沢、お前のそれはゴシップ魂だ。
「だからといって、私まで巻き込むな、巻き込むな、みさきちー」
 上原、お前も苦労してるのは分かるけれど、こうなる前に止めてくれれば……。
「む……。それを言われると」
「で? 何するの? 重大発表?」
 期待に瞳を輝かせて、相沢がみやびの言葉を待つ。
「しょうがない。そうだな、確かに、根回しは重要だ。司とリーダに相談してから決めるべきだったかもしれない」
 本当に思い付きで何か始めるつもりだったのか、この子は。
「いや、みやび? 何度も言ってるけど、君はこの学院の理事長なんだから、不用意な言動は厳に慎むべきで……」
「まぁまぁ、司様」
 さすがに僕よりみやびとの付き合いの長いリーダさん。きっと、これまでもこんなことはあったのかもしれない。でも、どうして? 困っていなきゃいけないはずの、そんなあなたの表情が、今はとても小悪魔的に見えてしまいます。この場に順応できてないの僕だけなのか?
「いいか、お前たち」
 きりっ、と表情を引き締め、みやびが言う。
 それは、ひとの上に立つべくして立つ、風祭みやびの姿。
「あたしは、この一回の栄誉だけで満足するつもりはない。連覇だ連覇! そして五冠といわず全部門制覇を目指すぞ!!」
「待て待て待てーーーーーーー!?」
「素晴らしい心意気です、お嬢様」
 リーダさんは、ぱちぱちと両手を叩いてみやびの決意を讃えている。
「さすが、そう来なくっちゃね!」
 相沢は、どこからかメモ帳とペンを取り出し、なにやらすごい勢いで書き始めた。
「あうあう~」
 上原は、流れに取り残されているのか涙目でみやびと相沢の顔を交互に見比べている。
「うふふふふふ……。盛り上がってきたよ。アタシのハートに火が付いちゃったよ。バーニングだよ」
「だから、みやび、そんな簡単に言わないで、よく考えてから言おうね?」
「でで、どうするの、みやびー? ハードルは高いけれど、これで燃えないなんて女じゃないよ?」
「任せろ相沢。すでに策は流々、仕上がりをご覧じろだ」
「ふんふん、聞かせてもらっていいかな? これはすごいスクープだよ!」
「いいだろう、相沢、なんでも答えてやろう」
「ん、ありがと、みやびー。じゃ、どうやって、今回惜しくも受賞を逃した賞を狙うの? ベストキャラクター賞は?」
「簡単なことだ。数が正義ならキャラクターを増やしてやろうではないか。結城、大銀杏、野原、小曾川、高藤陀、高松姉妹、岡本、神、三橋、溝呂木、エトセトラエトセトラ。全員に立ち絵を用意してやろうではないか」
「おお!?」
「それに、あたしには及ばないが、人気の高かったリーダや三嶋も攻略できるようにしてやろう」
「まぁ、司様に攻略されるのでしたら光栄ですわ」
 ちょ、攻略って、何言ってるのさ、この人たちは?
「もちろん、まだ見ぬ新入院生たちも、在学院生たちにも、等しく機会は与えるぞ。我こそはと思うものは名乗りを上げるがいい。凰華女学院の未来を作り、見事あたしの力となってみせろ!」
「おおっ!? なんだか藤原某先生が血を吐きそうだけどその意気や良しだよ、みやびー! 次は主題歌賞」
「初音○クにでも歌わせれば良かろう」
 うあ、そんなさらりと。クリプトンさんごめんなさい。
「話題性もばっちりだね! ボーカロイド三人揃い踏みとかだったら大変なことになるよ! グラフィック賞」
「こればっかりはスタッフの頑張りに期待するしかないな。死んでも描かせろ。リテイクはどんどん出すぞ」
 鬼だ。鬼がいる。
「ハード系作品賞とフェチ系作品賞は!?」
「おい、司、八乙女と仁礼を呼んでこい」
 えーーーー!? 裏シナリオ『陵辱凰華女学院』!?
「プログラム賞はどうするの?」
「任せろ。最高の品質でリリースしてやる。追加データによるシナリオの追加はもちろん、マルチプラットフォーム対応だ。七面倒な変換なぞしなくてもP○Pで遊べるようにしてやるから安心だ。これならDVDPG部門も楽勝だな。どうする? ファ○通期待の新作でド○クエとかF○とかと肩を並べるんだぞ。わくわくするな!」
 S○Eとか任○堂の中の人は安心できません!
 というか、そんな完璧な状態でリリースされるゲームがあったら見てみたい。
「プロモーション賞!」
「風祭の総力を結集して、これでもかと言わんばかりのバックアップをしてやる。使える力は全て使う。風祭の絶対勝利の力を見せてやる」
「そ、そこまで! そんなことになったら、どんなメディアも放ってはおかないよ」
「任せろ。あらゆるレビューで満点を取ってやろう。いや、取らせてみせよう」
 あああ、なんだか発言が危険な領域にまで踏み込んできている!?
「来る、波が来るよ! これなら恐れるものなんて何もないよ、みやびー!」
「だろう? あたしに不可能なことなどない。必ずやこれで明日の業界を救ってみせる!」
 どの業界だ?
「では行くぞ、相沢。リーダ、学院生たちに招集を。司、いつまでも呆けてるな。上原、そっちに行ってはいけない、現実を見ろ」
「……みやび、君が現実を見るべきだ」
「ふっふっふ……待っていろよ。あたしの真の力を見せてやる……」
「ふふふ、アタシも楽しみだよ、みやびー」
 誰か、この悪い笑みを浮かべるふたりを止めてください。
「では、お嬢様、講堂でお待ちしております」
「うむ、頼りにしてるぞ、リーダ」
 ああっ、リーダさん、僕を置いていかないで!?
「司様も早めにお越し下さい」
 僕の魂の叫びなど何処吹く風で、丁寧に頭を下げリーダさんが辞去した。
「え、リーダさん、本気? みやびを止めないと!?」
「楽しみにしていろ、司。当然メインヒロインはあたし、主人公はお前だ。あたしとお前とリーダの三人で、世界を手に入れよう!!」
 これ以上ないくらいの最高の笑顔と自信でみやびが言い切る。
 いや、世界なんて要らないんだけれど……。
「ふははは! 『遥かに仰ぎ、麗しの2(仮)』こうご期待だ!!」
 びしっ! と指を明後日の方向に突きつけ言い放ち、みやびが理事長室から小さなストライドで駆け出て行く。
「あ、待ってよみやびー!」
 続く、相沢。
「はっ、いけない! 暁さんに知らせないと、知らせないと!!」
 瞳に光を取り戻した上原が怒濤の勢いで飛び出す。
「え、何? これで終わり? 落ちてないよ? どっきりでしょ!?」
 僕の答えに答えるひとは、理事長室から消えてしまった。
「冗談だろ? 冗談だよね? ちょ、みやび! みやびー!」
 ダメだ、ここでみやびを止められないと大変なことになる。追わないと!
「待って、みやび! 僕の話を聞くんだ、みやび!」
 ……。
 ……。

 ──誰もいない理事長室。
 残されたPCがモニタに映し出す画像は、柔らかな笑顔で幸せそうに微笑むみやびと、それを見つめるリーダの姿。

─了─
この作品は冗談であり実在の人物団体等を貶める意図は一切ございません