under―異界ノスタルジア

2008年9月16日

stars 異界に墜ちた魂は現世に惹かれ郷愁に啼く

兄から手紙が届いた。三年前に母校に放火し恋人とともに姿を消した兄・戒人から弟である唯人へ。同封された手紙を月士那探偵事務所へ届けてほしいと、今更ながらの頼み事を。兄の言葉に憤りを感じながらも向かった探偵事務所で唯人は、彼らに出会う。異界に憑かれた人びとに。

序盤の雰囲気は良かったんだけれど、主要な登場人物が微妙な感じがしてしまいましたね。冒頭の流れだと、『Missing』なノリなのかなあと思っていたら、異能バトルに突入してしまったので。

そんな感じで異能を私欲に使う集団を敵に、月士那探偵事務所の面々が、同じ異能を持って戦うという展開。最後の最後の謎明かしで、驚きがありましたが、なんともキャラの行動原理が理解できない部分が多くて微妙な感じがしてしまいましたね。

主人公が何もできないまま、物語の顛末を見届け、最後に選択を成した部分で終わってしまいましたが、これは、今後は唯人も闘いの渦中に飛び込んでいくということ? 身内ですらパワーバランスがむちゃくちゃで、最後の最後は最強社長がジョーカー的に物語を収拾してしまいそうな感じなので、その辺どう見せてくれるのかなあ?

hReview by ゆーいち , 2008/02/23

under―異界ノスタルジア

under―異界ノスタルジア (電撃文庫 せ 2-1)
瀬那 和章
メディアワークス 2008-02-10